第39話 小さくして流すんじゃ(完全犯罪)
「おう! どないじゃ! 思い出したか! ああ!? 借りた金と誰から借りたか思い出せたか、言うとるんじゃ鈴木ぃ!! ああ!?」
「ガボボボ!」
あ!?
ああ……どうも……す、すいません。ボク! ボクです!
金貸しの拓です。
なにしてんのかって? えっと……ご覧の通りですよ。
ああ。鈴木の顔を便器に突っ込ませてるんです。え? どうするかって?
ははは、汚物は便器で流さないとじゃないですかー。
だって、お金返すの今すぐは無理だって抜かすんですよーコイツ(笑)
これはもう……
「生かしとけまぁが!! ああ!? 鈴木ぃ!」
「ガボガバガボボ!」
へ? そんなデカいの流れないって?
やだなぁ……分かってますよ。そりゃ
「細かく
「ガボガバガバババボボ……」
「ああ!? 聞こえまぁが! ちゃんと喋らんかぁ!」
「ぷはっ! ちが……違うんです拓さん! ガボボ……オレちゃんと働いてるところで……ガボボ!」
「ああ!? こなぁなところで働いちょるじゃあ? 金むしり取られてるの間違いじゃろうが! おお!?」
「だか……ガボボ……違うん……ガボボ……ですよ! ぷはっ! マ、マスターに言われて一緒に潜入してるんです! 終わったらその報酬で返しますから!」
「はぁ!? お前の言うことなんか信じられるか! 証拠見せえや!」
「しょ、証拠って……マスターは『事が終わったら借金は全部払ってやる』って……」
「そなぁ、うまい話があるわけなかろうが!」
「ほ、本当ですって! 泣きぼくろの女を見つければ……って。あ……でも当初と目的が変わってるというか……」
「はぁ?」
「今は、
早乙女さん? なんでマスターさんの目標が早乙女さんに? 泣きぼくろさんは?
「マスターは「愛注入の間で儀式を行えば、それで全部終わりだ」って……だからそれが終わればちゃんと返しますからぁ……」
「儀式? 儀式って、なんの儀式じゃ」
「元々、愛注入の間……あ、さっきの部屋なんですけど……あれ、入信の儀を行う所じゃなくてですね。教祖のヤツが……その……へへへ」
「なんじゃ?」
「いや……その……信者の綺麗どころを集めて愛を注入する所……でして。へへへ」
「はん! しょーもなっ! 愛と平和の団体が聞いて呆れるの! ん? ちゅーことは……」
ということは……早乙女さんは、あの部屋で……
あ、愛を注入されちゃうってこと!?
た、助けに!
いや、でも……早乙女さんボクに「先っちょだけ」って……
アレは本当にただの聞き違いだったの……?
いや……下手したらボクが愛注入されるってことも……え?
だ、誰の何を?
ぐ……く……ボ、ボクはどうしたら……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます