第13話 ピーコ

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な、なんか話せよ!!

気まずいんだよ!

っていうか黙ってたら怖いんだよ!アンタが黙ってると!

ねえ?怒ってる?怒ってるの!?

なんで妙にそわそわしてるんだ!?

お願いだから、なにか…


「あ、あの…お願いがあるんですけど…」


「え?は、はい!?」


な、なんだよ…ダメだぞ?ここの売り上げ全部渡せなんて言われても…レジの開け方わかんないんだから。


「ここは…やっぱりペットお断りですよね?」



ペット?それは、どういう…


「実はですね…表に犬待たせてあるんですけど…ちょっと心配で…今はお客さんもいないみたいだし…中に入れちゃ…ダメ…ですかね?」


「あ、あー。いえ、かまいませんよ」


な、なんだ、そんなことか…別に犬くらいなら…


!!


「あ、あの!」


「はい?」


「その…犬ですよね?あの…狼とかそういうのじゃないですよね?」


「いや…犬は犬ですよ。狼じゃありません。その小型犬ですから心配しないで下さい」


「そ、そうですよね?ははは、小型犬なら問題ありませんよ。ははは!どうぞ一緒に中でお待ち下さい」


「じゃ、じゃあ、ちょっと行ってきますね…」



バタン



ふうー…まあ一応な!一応確認しとかないとな…

あの男なら虎とか連れて歩いてても不自然じゃないからな。


ガチャ


お、戻って…


!!


「ははは、お待たせしました。見てください。カワイイでしょ?チワワの…」


「ピーコ…」


「え?あれ?なんで知ってるんですか?名前言いましたっけ?」


知ってて当然だ…その犬はオレが捜し求めてた犬…

間違いない…あの赤い名前の刺繍が施されたリボン…

生まれて、すぐに虚勢手術を施されたことが理由で命名された、泣きボクロの愛犬…

チワワのピーコだ!

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