最終章・輝く星

照明、明るくなる


エレノア、起きる


エ「う…あ、あれ…」


エレノア、隣のアステリアを見て驚き、起こす


エ「ちょ、大丈夫…!?ア…あ、名前が…」


アステリア、起きる


ア「うう…」


エ「大丈夫!?」


ア「あれ…エレノア様…?」


エ「…もういいんだよ。だからそんな呼び方しないで?敬語もいらないわ」


ア「あ…ごめん、なさい。その…カケラは?」


エ「カケラは砕け散っちゃった。使えるのは一度きりだから。……それと、貴女の名前が…分からないわ。やっぱり名前を代償に?」


ア「はい…あ。う、うん、そうだよ」


エ「名前、本当に私が決めてもいいの?」


ア「もちろん」


エ「それじゃあ…」


エレノア、空を見上げ、指を指して


エ「アタナシア」


ア「アタナシア?」


エ「そうよ。輝く不滅の星。貴女にぴったりでしょう?」


ア「そう…かな、ありがとう、エレノア」


エ「どういたしまして!」


ア「ところで、自分たちはカケラに格差のない世界を願ったけれど…一体どうなったのか…」


エ「平和になったのかしら。あと魔法の存在も…」


ア「確かめに行こう、皆さんと会えるかもしれないし」


エ「そうね。…ふふ」


ア「どうしたの?機嫌がいいね」


エ「なんだかすごく嬉しくて!貴女と、やっと平等になれた気がして」


ア「エレノア…」


エレノア、楽しそうにくるくる回る


ア「もう、そんなことしてたら転ぶよ?」


エ「大丈…きゃ!」


エレノア、バランスを崩す


ア「エレノア!」


アステリアが庇い、なんとか無事


ア「ほら、言わんこっちゃない!服、汚れちゃったし」


エ「ふふふ、ごめんなさい!」


ア「はは、笑い事じゃないって、ははは!」


エレノア、立ち上がる

アステリアも立ち上がる


ア「さ、行こ」


エ「ええ!」




ゾルテノ、リゼン、登場



リ「だから!うちの方で流行ってる感染症、どうにかしてよ!治し方とか調査してくんないの?」


ゾ「騎士団の仕事にも限度がある。対処しきれん」


リ「そんなこと言って、うつるのが怖いとかなんじゃないの?」


ゾ「ロクザンは人間と違って長命だ。病など怖くはない」


リ「へぇ〜そう?」


ゾ「我々騎士団もできる限り力を尽くしている。巡回を徹底し、些細な気づきでも医者と薬品開発の方へ情報を伝達しているのだがな」


リ「騎士さんたちもたまには役に立つじゃん」


ゾ「たまに、ではない、いつもだ」


リ「はいはい」


エ「なんだか仲良くなってるようね」


ア「魔法がなくなって、平等になったってことかな」


エ「そうかも。本当に叶ったのね」


ア「はい。…ゾルテノさん、リゼンさん」


ゾ「エレノア様。それと娘」


リ「あんたたちもいたんだ。あーっと…あんたは…」


ア「アタナシアです」


リ「そうだったっけか」


その他キャラ、登場


麗「ゾルくーん!」


ゾ「麗」


ウ「ったく、どこいっちまったかと思えば…」


リ「ウェルさん」


ア「皆さんお揃いで」


エ「ふふ、大集合ね」


ギビ「ねーリゼン!このロクザンすごい!!これぜーんぶお薬なんだって!!」


ギル「このロクザン、じゃない。カルネラね」


カ「自分で調合したものなんです!リゼンさんたちが住む地域で病が流行っていると聞いたので、何かできないかと…」


リ「ほー、すごいな。効くといいんだけど」


麗「大丈夫よ、カルネラちゃんはなんたって、騎士団自慢の医療班リーダーだもの!腕前はピカイチよ」


ゾ「一日でも早く改善できるよう、我々も日々調査を続けている。何か情報が掴めたら連絡しよう」


ウ「さすが騎士団だな、カッケェことばっか言いやがってよ」


麗「人間じゃ感染率が高くて調査できなくても、アタシたちには関係ないからね。困った時は助け合い、でしょ?」


ギビ「かっこいー!!助け合い、だって!!」


ギル「ギビヤには縁のなさそうな言葉だな」


ギビ「そうなのー!?」


麗「でもその代わり、アタシたちが困った時は、人間ちゃんたちが助けてよね」


ゾ「人間の力なんぞ借りなくても自分で解決する」


カ「もうゾルさん!僕たちも寿命以外は人間さんとさほど変わらないんですから!協力ですよ、協力!」


ゾ「ふん…」


ウ「そろそろ帰らねぇか?野郎が集まってたってなんも楽しいことなんざねぇだろうよ」


リ「そうだね。そもそも俺たちなんでここにいたんだっけ…」


人間たち、はけはじめる


ゾ「私たちも任務に戻るぞ」


騎士団員たち、はける


エ「アタナシア」


ア「何?」


エ「家に帰ったら、一緒にチェスでもしない?」


ア「いいね。それじゃ、お菓子を用意しよう。それで勝った方が食べれるってことでどう?」


エ「ふふ、いいわよ」


ア「手加減しないから」


エ「望むところね」


エレノア、アタナシアより前へ出て、アタナシアに踊ろう、とでもいいたげに手を差し出す


エ「私たち、もしかしたら最高の友達かも」


アタナシア、その手をとる


ア「もしかしなくても最高だから」


エ「ふふ、そっか」


ア「帰ろう、私たちの家に」


エ「えぇ!」


二人、はける



Fin

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ローグ・スペラーレ ーRogue Superareー 改 ( mk )² @rogusupe_daihon

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