⑤本文データを作成する

 小説本の醍醐味である本文データの作成です。

 私は下記のような流れで本文データを作成しています。


 1)小説の本文を完成させる

 2)推敲・校正する

 3)「縦式」で仮の本文データを作成する

 4)再校正する

 5)PDFデータに書き出す


 順にご説明します。



1)小説の本文を完成させる

 小説の本文自体が完成していないときは、一刻も早く完成させましょう!

 言わずもがな、これがいちばん難しいんですけどね……。



2)推敲・校正する

 本文が完成したら、推敲・校正です。

 推敲に関しては小説本文の内容に関係してきますのでこのエッセイでは触れません。

 校正については、この段階では主に誤字脱字、重複表現、ゆらぎ、抜け字などをチェックしていきます。(※1)



3)「縦式」で仮の本文データを作成する

 推敲・校正が完了したら、いよいよ本文データを作成します。

 まずは「縦式」で書類を新規作成し、小説の本文を一気にコピー&ペーストします。

 次に、下記項目を加工します。

  ・見出し……章タイトルなどを見出しとして加工します。

  ・改ページ……章が変わるとき、短編集などで小説が変わるときなどに使用します。ちなみに、縦式では「改頁」「改丁」「改段」を使い分けることができます。

 加工が終わったら、いちど仮に書き出します。

 私の場合、文庫本の体裁にしたいので、出力設定を下記の通りに設定します。(※2)

  =====

  ・種類:PDF

  ・用紙:A6用紙 文庫本 105×148mm

  ・塗り足し:0mm(※3)

  ・1行文字数:38

  ・1ページの行数:15

  ・フォント:游明朝体 ミディアム

  ・フォントサイズ:8.5pt

  ・行間:6.5pt

  ・上余白(天):20mm

  ・下余白(地):13mm

  ・内側余白(ノド):15mm

  ・外側余白(小口):10mm


  ・ヘッダー、フッターに見出しを表示:ON

  ・奇数ページのみ:ON

  ・見出し位置:上

  

  ・ページ番号:ON

  ・ページ番号位置:上


  ・ノドと小口を均等にする:OFF

  =====

 上記項目はあくまで参考値です。設定を変えて確認しながら、自分がいちばんしっくりくる設定値を見つけてください。


 出力設定を終えたら、PDFデータに書き出し、「ファイル」の任意の場所に保存します。

 私は本のタイトルのフォルダを新規で作成して、そこに関連データを保存していくようにしています。


 仮データの書き出しが終わった段階で、よっぽど大きな変更がない限り、本文のページ数が決まります。印刷発注時のときに伝えたページ数から変更がある場合、事前に印刷会社さんに連絡しておきましょう。



4)再校正する

 再校正のとき、さらに2回校正することが多いです。(不安だから……。)


 1回目は、データ上で校正します。仮の本文データ(PDF)をGoodnotes6に読み込むことで、PDFデータに赤ペンを入れるように手書きで校正チェックしていくことができます。(※4)


 1回目の校正で出た修正点をすべて反映させてから再度書き出し、それを紙に印刷します。(私はセブンイレブンのネットプリントを活用することがほとんどです。)

 その紙の状態でもういちど校正します。

 2回校正する手間はかかりますが、データと紙と媒体を変えることで自分だけでも見落としを少なくしようとするねらいです。(本当は自分以外の人に校正してもらうのがいちばんなのですが……。)


 また、縦式は禁則処理などに対応していません。記号が文頭にきてしまっていたり、連続する記号が分離してしまっている場合は、本文を微調整する必要があります。こちらもあわせてチェック・修正を行い、校正は完了です。 



5)PDFデータに書き出す

 すべての校正が終わり次第、最終の本文データを書き出します。

 「ファイル」に作成したフォルダのなかに、新たに「nyuko」などと名前をつけたファイルをつくり、そこに保存するといいと思います。



 以上で本文データを作成できました。

 次は表紙を作成します。




※1:校正に関しては、正直私も勉強中です。最近、校正をお仕事にされているサワラギ校正部様の「自分でやってみる人のための校正のたね」という本を入手しました。校正のポイントが18の項目で解説されているので、今後からこのポイントに沿って校正をやってみようと思っているところです。みなさんもオススメの参図書があればコメントで教えてください。


※2:上記に記載しているのはどの本でも共通の設定項目です。そのほかはデフォルトの数値、もしくは作る本によって使い分けている設定になります。


※3:入稿データの仕様で「塗り足し3mm」など指定されている場合は、設定してください。


※4:こちらの記事でGoodnotesについてご紹介しています。(執筆当時はGood Note 5でした。)

https://kakuyomu.jp/works/16817330651250003038/episodes/16817330651250321396


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