二日目 幕開け
なんだってこんな早くに起きなきゃいけないんだ。
日曜日の朝なんて一番惰眠を貪りたい時間帯じゃないか。
なあそうだろ?
って空虚な空間に問いかけたって仕方がないのはわかってる。わかって・・・
朝、目が覚めて・・・いや目を覚まさせられて、悪態をついたのもつかの間、自分の目には信じられないものが映っていた。
この自分のオアシス的空間に、いやまあ物は散らかってるけど。
この自分のパラダイスに、なんで、どうして、自分以外の生物が息をしているんだろうか!
わかる?いやわからない。
ああもうそんなことはどうでもいい。どうでもいいんだって。まずは目の前のこれをどうにかしないと。
そう、自分のベッドの上に寝転がり、さながら自分の巣かのようにふるまっているその自分以外のヤツは。ただただ強烈なにおいを放っていた。
時刻は朝7時過ぎだろうか。あいにく時計なんてとうに霧散していて、スマホを使うことでしか時間を確認できないこの空間に、そしてとうにスマホの電池は切れている。時間を確認するすべはない。でも体は朝だって言ってる。だから朝!
ベッドはぐっしょり濡れ、強烈なにおいを放っていた。
これは自分がしたものではない。そのくらい節操のない生活態度はしていない。
だからこれは昨日自分が買った、ヤツの仕業だってことだ。そうだ。そうに違いない。
こうなったらつぎする行為はもうわかってるよな。そう、風呂だ。
この両手を犠牲にしたっていい。だって風呂に入るってことは自分も洗われるってことだから。
腕と体のつなぎ目あたりをこうがばっと持って、そしたら一目散に・・・お風呂へ!
風呂への道中ぽたぽたと何かが垂れてたような気もするがそんなことはどうだっていい。今はこれをどうにかしよう。
そうじゃないと臭いで頭がおかしくなりそうだ。
服を脱いで、扉を開けていざゴー!
って自分以外の体を洗ったことがないんだが、洗ってやるってどうすればいいんだろうか。
いいやここは野となれ山となれで。
はじめは、なすがなされるままって感じだったのにお湯を出した時から急にあわあわしだしてどうしたんだろうな。
まあでもさっぱり!
って出てきたのに部屋の惨状を見てほんとに気分が落ちた。
掃除しよ。あとはトイレとか教えなきゃ。
日々に潤いを。 ちいろ @tiiro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。日々に潤いを。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます