40 だって僕は暴れ系女子だもんね。

「パイアちゃんは相変わらずヘタクソねえ……」

「クッ」


 そしてママさんのネイルテクはメッチャ上手でした。ぐやじいっ。


「自己紹介で暴れ系女子っていうだけはあるよね」

「パイアお姉ちゃん、そんなこと言ったの?」

「冒険者ギルドに来て登録するときにね」

「最初の最初っ!」


 ナーテさんが言ったことも事実っ。僕は冒険者になりたい暴れ系女子と、確かに言ったなあ。


「そう言われると、ナーテさんとはなにかと縁があるようですねえ」

「うん。まさか私までパイアさんのお店で、働くことになるとは思わなかったよ」


 お店がオープンして半年。幸いなことに繁盛してるんだよね、ネイルサロン。しかも僕らが割と適当に店を開けたり休んだりするせいで、開店準備を手伝ってくれたママさんのところに苦情が行くという始末。


 僕は店長をママさんに奪われました……。だ、だって冒険者しないと血が足りないしー?

 今はオーナーという立場になってるはず。たぶん。お金は振り込まれてるから、ダイジョブなはず?


 そんな忙しいお店になったせいで、ママさんは娘さんであるナーテさんを、冒険者ギルドからヘッドハンティングした。


「寝坊しても平気だからね。最高っ!」


 結構な雑さ加減で転職してるような?

 いや、大事なことか。睡眠時間は。


 そして僕らにも大事なことだけど、この2人は帰るんだよね、自分ちに。つまり新婚生活の邪魔ものなしーっ!

 色んな人の協力があってだけど、僕らはキャッキャウフフ生活を満喫してるとこ。


 1番の問題は、僕の店なのに僕が1番ネイルテクもセンスもないという現実を、突き付けられております。


「盛るのはパイアお姉ちゃんが1番上手っ!」

「ありがとっ、ン・シー!」

「「ダメよ」」


 分かっていますとも。

 絵が下手だからね。綺麗に盛っても歪んだものになっちゃうしぃ。


「ン・シー、ダンジョン行きましょう。ダンジョンッ」

「りょーかーい」

「パイアさん、そうやってすぐ逃げるから……」

「そうよ? 練習したら上達するでしょうに」


 いーんですぅ。

 だって僕は暴れ系女子だもんね。




--------------------------------------------------------------------------

あとがき

 最後までお読みくださいましてありがとうございました!


私に乗り移る予定だった異世界人様とつくる妖精郷 ~万能作業台はチートだそうです~

https://kakuyomu.jp/works/16818023212806311871

コロロの森のフィアフィアスー ~子エルフちゃんは容赦なし~(完結済み)

https://kakuyomu.jp/works/16817330652626485380


こちらも読んでいただけると嬉しいです!

執筆の励みになりますので、よろしければフォロー、レビュー、感想、応援などをよろしくお願いいたします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

推しキャラ転生はしゃーわせです ヒコマキ @cell_makimaki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ