第21回「専門用語」
A「専門用語って憧れるよな」
B「わからなくもない」
A「その業界でしか使わないようなやつ、わかってるぅー!感があって良いよな」
B「確かに専門用語が飛び交っていると阿吽の呼吸ができているというか、お互いに通じ合ってスムーズに物事が進んでいる感じがするな」
A「やってみたい」
B「何を?」
A「阿吽!」
B「阿吽は人じゃなくて、“あ”で始まって“ん”で終わる概念なんだよ」
A「ざぎん」
B「銀座のことな。でもどこで使うんだよ」
A「戸越ざぎん商店街で街ブラデートをする」
B「一気に庶民派になったぞ」
A「すーしーを食べる」
B「それはただ伸ばしただけだよ」
A「ぐだるリンボ」
B「ボルダリングを入れ替えただけじゃないか、壁を登るやつな。というかリンボってなんだよ。何がぐだってるんだよ」
A「思ったよりジームーだな」
B「普通に難しいって言えよ」
A「おい、サブロクのパネルを取って」
B「業界っぽくなってきたぞ。畳サイズの板のことを言ってて、サブロクは尺貫法のサイズのことだな。3尺と6尺」
A「三六協定のポスターパネルをはがしまーす」
B「労働協定の方か。しかもなんでポスターパネルに入れてるんだよ。そしてそれを撤去してどうする。ここはブラック企業か」
A「業界はブラックだらけだからね。お目当ての人と主役を残してみんなで帰っちゃうとかな」
B「随分タイムリーだな。少女漫画なんかではあるあるのシーンだけど、おじさんと女性でやった途端に犯罪の予感しかしなくなるよ。というかもはや犯罪だよ」
A「かけは炊飯器目的で動くからな」
B「たぶんそれ闇バイトの用語だろ。さっき考えましたみたいな文章だからお前が闇バイトに染まってないことはわかったよ」
A「思ったよりいろんな業界があるんだな。どの業界の専門用語が一番かっこいいんだろうな」
B「用語なんて使わないで誰にでもわかる言葉を使う人が一番かっこいいよ」
A「使ってて思ったけどさ、喋る側も意外と正しい意味をわからないまま使ってたりするのかもな。すぐに専門用語でけむに巻いてあやふやな知識のまま物事が進んじゃったりするんだよ」
B「大体そういうもんだよ。あいまいな部分をあいまいなままにするっていう意図もあるだろうしな」
A「これからは辞書だけを頼りに生きて行くよ」
B「それはそれで生きづらい」
漫才ネタ 鷓鷺 @syaroku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。漫才ネタの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます