第14話 河原で会ったじゃないか
そのまま放課後になって、
「ホントごめん!」とある女子生徒が
なるほど。一緒に下校しようと約束していた女子か。その子に急用が入り、下校できなくなってしまったと。
まぁそんなこともある。女子生徒は申し訳無さそうだが、
ともあれ
今日は
……
なんか僕、気がつけば
なんてことを考えていると、
「あれか」
なんかガタイの良い男子生徒たちが教室に入ってきた。
教室がざわつく。入ってきたのは……おそらく先輩だ。背が高くて筋肉質の……5人ほどの先輩。
明らかに友好的な会話をしに来たんじゃない。なにかしら悪い企みをして侵入してきたようだった。
とはいえ教室に入るのは罪でも校則違反でもない。教室は不穏な空気に包まれながらも、静寂を保っていた。
さて先輩たちは何をしに来たのだろう。友達と楽しく遊ぶ……なんて雰囲気じゃないよな。面倒事に巻き込まれないうちに、さっさと逃げようかと思っていると、
「
どうやら先輩たちの狙いは
先輩は
「……?」
「水臭いな。俺のことを忘れたのか? 10年前に河原で会ったじゃないか」
その言葉に教室がざわつく。このクラスの生徒なら、10年前の河原という単語に反応しないわけがない。
本物、だろうか。
「まぁ……!」
「もちろん本当だ。俺はよく覚えてる」
「なるほど……でしたら――」
「ここで話すのも、人が多くて恥ずかしいだろ? ちょっと、こっちに来いよ」
「え……? いえ……」
抵抗する間もなく、
そしてその瞬間、教室の喧騒が大きくなる。
「初恋の人って、あの先輩……?」「ホント? 結構悪い噂を聞く人だけど……」「大丈夫かな
……
そもそも本当に初恋の人なら、5人の集団で来る必要もないだろう。とてつもない恥ずかしがり屋さんだったのだろうか。緊張のあまり粗暴な言葉遣いになってしまったのだろうか。
あの先輩は……本当に
あんな人に、
……
……
……
乱暴されていたり、しないだろうか。
そんな考えが頭をよぎったら、もうジッとしていられない。
僕は誰にも気づかれないように、教室を出た。
向かう先は……
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