救世主

本当に不思議なもので、嫌なことが続き、私のメンタルがボロボロになりかけると、突如として救世主が現れる。


その救世主は、家族だったり、いつも近くにいる友人だったり、仲良しさんだったり、しばらく連絡がなかった相互さんだったり、初めましての方だったり。


私の異変に気付いて、そっと声を掛けてくれる人はもちろん、そんな状況だとは知らず、何気ない言動に救われることも多々ある。


とにかく、1人や2人ではなく、まるで相談したかのように複数人から立て続けに『ご褒美』をいただくんだよね。


まぁ逆に、嫌なことが立て続けに起きる確率も高いんだけどね、私の場合(苦笑)



良くも悪くも、縁とは不思議なものだなと、いつも思う。


残念ながらお別れした人のことを、私は嫌っていない。

私の心の平穏が守れる距離まで離れただけ。時々思い出すこともあるよ。元気で楽しく過ごせていると良いなと。


私が誰かを嫌うときは、存在そのものを私の中で消去するか、『モノ』としてしか認識しない。人として扱わないの。

これまでの人生で、今も嫌いだと思っているのは3人だけ。

余程のことがないと、私は人を嫌わない。むしろ、嫌いと判断させた3人に感心した。私に「嫌い」とまで言わせたことが凄いなって(笑)



話を戻して……。

冒頭で書いた救世主さんは、実は普段もそこに存在しているんだよね。

都合が良いと怒られそうだけど、嫌なことがあったときほど、周りをよくよく見回すと小さな優しさを貰っていることに気がつく。


小学生の頃、クラスメイトの作品を壊したと、私は濡れ衣を着せられた。

いや、クラスの誰もが壊した人を目撃しているんだけど……(笑)

困ったことに、真(?)犯人はクラスで影響力を持っている子だった。みんな、怖くて逆らえないの。

その日から「壊した子に謝りなよ」という脅迫まがいなことが始まる。でも、当事者である作品を壊された子は、私に対して何も言わなかった。

『こんなことは間違っている』と思う子は、コッソリだけど、私に「違うのにね……」と言ってくれた。


私は可哀想だなと思っていた。

違うことを違うと言えないクラスメイト。

人の物を壊してしまった罪悪感から逃れるために、他人に罪をなすりつけよう必死な犯人の子。

「壊して、ごめんね」

この一言で終わったことだった。

わざとじゃなかった。カーテンを引いたときに引っかかって落としただけなんだから。事故と同じ。

なのに、自分の手で、心の中にある恐怖を増幅させているのだから、本当に可哀想。


日々続く無意味で無駄な労力に疲れて、私は作品が壊れた子の所へ行くと、私が口を開く前にその子は言った。

「おまえが謝る必要はないからな。俺は、誰が壊したのか知ってるんだからな!!」

クラス中に響く声。途端に、必死に自分の罪から逃れようとしていた子が泣き出し「ごめんなさい」と一言。


彼はずっと待っていた。

本当に壊した子が謝りに来ることを。「コレは違うんじゃない?」と言う子が現れることを。もしかしたら、私が彼に「私は壊していないよ」と言うことを。


このとき、私は分かったの。

具体的な言動がなくても、静かに私のことを見てくれている人の存在。

そして、私が動くことで、アクションを取ってくれる人の存在。


嫌なことが起きたら、救世主さんを探そう。日々の何気ない優しさが、とても大切なんだと気がつく機会を貰えたと思おう。

そして、私もそんなふうに誰かの救世主さんになれていたら良いなと思う。


いつも本当にありがとう♪


以上、本日はここまで。

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こころにうつりゆくよしなしごと 芳乃 類 @yoshino_rui

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