第34話 不健全ネタ出し踊り

「わしに任せておけでふほんっす!」

「いえ、ここは私が描きますでけほんじゃす!!」

「いいえ、わたくしが描きますでぜほんぎゃっすわ!!」

「私が描くでふけふけほん!」

「あたくしが描きますでもけふけほん!」

「いや、ここはあっしがでほんけふじゃっす!」

「僕が描くでけふほんぽっすよ!」

「あーしがやるでほんほんけふっす!」


「アニキ、どうするでげすか?」


「うーん、そうだなぁ……」


「せっかくだし、全員に描いてもらったらおみぃ?」


「えっ? 良いのですか?」


「構わんでふほんっすぞ!」


 他の方々も構わないそうだ。


「それでは、皆さんに描いていただくことにします。よろしくお願いします」


「うむ、最高に不健全な本を描いてやるからでふほんっすな!」



「では、始めるとするでふほんっすか!」


「どんなものを描くのめっきゅ?」


「それはこれから決めるでふほんっす! ゆくぞでふほんっす!!」


「「「ぬぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」


 グランド不健全本マスタースペシャルたちが、俺たちの周囲で踊りながら叫び始めた。


「な、何をやっているんですか!?」


「あれは『不健全ネタだし踊り』でぎゅぎゃぎゃっす!」


「それはなんなのめっきゅ!?」


「ああやって、本の内容を考えているでぎゅぎょっす」


「なんじゃそりゃぁっ!? 訳が分からなさすぎるぞ!?」


「まったくでげすね!?」



「そういえば、好みを伝えてないけど、大丈夫なのかな?」


「そこも問題ないでぎゅぎゃぎゃっす」


「えっ? なぜですか?」


「不健全ネタだし踊りをしていると、なぜか読者の欲するネタが湧いてくるでぎゅぎょっす」


 ええっ!?

 そんなバカな!?


「とんでもない踊りでげすぜ」


「まったくねめっきゅ」



「「「みょひゅひょひょぉぉぉぉっ!!!!!」」」


「あれ、いつまでやってるのめっきゅ?」


「ネタが出るまででぎゅぎゃぎゃっすよ」


「要するに不明でぎゅぎょっす」


 ええ……



「「「もみょみょみょぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」


「私たちは、ずっとここにいなきゃいけないのおみぃ?」


「いや、いる必要はないでぎゅぎゃぎゃっすよ」


「そうなんですか!?」


「なら、なんのために私たちの周りで踊っているのですかきゅひゃ!?」


「それは作家の皆さんが、そういう気分だったからじゃないでぎゅぎょっすか?」


 そんな理由なのかよ!?



「そういうことなら、描き終えるまでの間、ここの復興を手伝って欲しいのですがでごびゃらっす」


「はい、良いですよ」


「じゃあ、ガレキの撤去をするでぎゅぎゃぎゃっす」


「了解でげすぜ」



 一か月後。


「「「にゅぅほぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」


「作家のみんな、まだ踊ってるねもん」


「食事や睡眠は取ってるみたいだけどねめっきゅ」


「なかなかネタが出ないのかなおみぃ?」


「そのようででぎゅぎゃぎゃっすね」



 復興作業開始から三か月後。


「結構片付いてきたな」


「そうねめっきゅ」


「「「うひょっひょぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」


「作家のみんなは、まだ踊っているけどねおみぃ」


「いつ描き始めるのでしょうかきゅひゃ?」


「いつなんででぎゅぎょっすかね?」



 復興作業開始から六か月後。


「「「もひょぎょぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」


「まだ踊っているんだけど……」


「描けない時は描けないでぎゅぎゃぎゃっすからね」


「そうでぎゅぎょっすね」


 いったいいつ終わるのやら?



 復興作業開始から一年後。


「すっかりキレイになったわねめっきゅ」


「ああ、そうだな」


「「「むほむほぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」


「あいつらは全然進歩しないでげすがね」


「ああ、そうだな」


 あいつら、いつまでやっているんだ?



 復興作業開始から一年と一日後。


「完成でふほんっす!!」

「完成しましたでけほんじゃすよ!!」

「完成ですでぜほんぎゃっすわ!!」

「完成でふけふけほん!!」

「完成ですでもけふけほん!!」

「あっしのも完成でほんけふじゃっす!!」

「僕のもだでけふほんぽっすよ!!」

「あーしのもでほんほんけふっす!!」


「ええっ!? 昨日まで踊ってたのに!?」


「ネタが思い付けば、こんなものだでふほんっす!」


「そ、そうなんですか……」


 なんだそれは!?

 すごすぎだろ!?



「では、受け取れでふほんっす!」


「ありがとうございます」


 四八冊の本を受け取った。


 八人とも、俺、ウィンドウさだ、メイキュ、ケーエ、モーンス、ルアレリーネの分を描いてくれたのか。


 ありがたいな。



「では、さっそく見てみようか」


「そうですねきゅひゃ」


「待ってくださいでごびゃらっす! それはジハジハールマに帰ってからにしてくださいでごびゃらっす!!」


「なんでおみぃ?」


「不健全力が高まったせいで、健全獣が寄って来るかもしれないからですでごびゃらっす!」


「ああ、確かにそうですね」


「それ、ジハジハールマで読むのもマズくないめっきゅ?」


「防衛体制が整っているところなら、寄って来てもなんとかなりますでごびゃらっすよ」


「そういうものなんですか?」


「そういうものなんですでごびゃらっす」


 じゃあ、帰ってからにするか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

健全エロゲー世界転生~不健全版がどこかにある!? 探すしかない!!~ 三国洋田 @mikuni_youta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ