1-15

「おくさ…リリア様。どちらに行かれるので?」


「図書室よ。たしかこっちにあるのよね?」


「はい。そこの角を曲がってしばらく歩くと入り口がございますよ」


「そう。ありがとう」


相変わらず広いお城ね。こんなに広いと本当に迷子になってしまうわ。幸い記憶力は良い方だけどね。



ガチャッ!

「あら、誰もいないのね。静かだわ。それに凄く広い」


紙とインクの良い匂い…窓から庭園も見えて、読書スペースもゆったりしていて、本当にどこもかしこも素敵なお城だわ。


何を読もうかしら…そういえば遠い所にある大陸の大きな国では魔法というものがあると聞いたことがあるわ。

マリデール家にはそれについての本は無かったけれど、ここにはあるかもしれないわね。


広くてとても探しきれないから、少し探してみてなかったら近くにある本を読みましょう。


魔法がある国…いつか行ってみたいわ。魔法が使えたら楽しそうね。



「ないわね…それなら取り敢えずこの本を読みましょう」


私が選んだのは縄抜け、鍵開けについての本です。

こんなものがあるのね…覚えておいたらいつか役に立つかもしれないわ。



「リリア様。こちらにいらっしゃったのですね」


「あらデリア。もう採点出来たの?」


「はい。一度お部屋にお戻り頂けますか?」


「分かったわ。あ、何冊か部屋に本を持っていっても良いかしら?」


「はい、大丈夫ですよ」


「ありがとう」


結局、一冊も読めなかったからね。他にも植物図鑑などを部屋に持って帰りました。あとで読むのが楽しみだわ。



「お帰りなさいませ、リリア様。こちら、採点が出来ましたよ!」


「ありがとう。見せてくれる?」


「はい!」



国語 100点

数学 100点

地理·歴史 100点

物理 100点

周辺諸国の公用語 100点




…あらまあ。満点だったわ。自信はあったけれど流石にこれは予想外だったわね…


「採点、間違っていないわよね?」


「はい、一応他の者とも何度も確認しましたが全問正解でした」


「そう。それなら良かったわ」


学力、落ちていなかったようね。


「すごいですね、本当に!国家試験レベルの難問もたくさんありましたのに」


「あら、そうだったの?少ししかないと思ってたわ」


「ふふふ、実はたくさんあったんです!」


メアリ~自信満々に言うところではないわよ?国家試験レベルって私すごいわね。


「旦那様にご報告させて頂きますね。」


「ええ」


旦那様も優秀な方だと聞いておりましたけれど、同じようなテストをしている筈よね?お帰りになられたら聞いてみましょ。

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政略結婚しましたが、貴方に興味はありません!~私は大好きな推しを応援します~ 山咲莉亜 @Ria-Yamasaki

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