女を抱きたくて

Take_Mikuru

女を抱きたくて

風俗、ライブチャット、どちらも最高だ。

5年間かけてどちらも入り浸ってきた。

若くて可愛い女の子達と交われない人生なんてクソ喰らえだ。

そんな人生何の意味もない。

そんなんだったら死んじまった方がマシだ。

でも残念ながら誰もが無料でこれを実現できる訳じゃない。

俺みたいに金を払わないとその喜びを享受できない人たちもいるんだ。

金払って好みの女と交わるのはなかなかいいものだ。

普通だったら会おうと誘われる度に女の子側にも断る権利がある。

好みじゃなかったら余裕で断れる。

女の子側からしたらそれこそがあるべき姿なんだろう。

しかし、俺みたいに断れるのが常の男からすると堪ったもんじゃあない。

いくら気を遣い、頭をフル回転させて誘っても、

「ごめん!その日は用事あるんだ!」

の二言で片付けられてしまうのだ。

やってらんねーよ!

そう何度携帯の画面に叫んだことか。

魅力的じゃない男にとって女の子側の断る権利ほど厄介なものはないのだ。

これは1回デートに行った後、2回目のデートの誘いを断られた時、あるいはシカトされた時もそうだ。何か変なことを言ってしまったのか。何かヘマをしてしまったのか。何か嫌われるようなことをしてしまったのか。そういった永久に本当の答えを知り得ない質問が頭をぐるぐるぐるぐる回り続けるのだ。気が気じゃないんだ。女の子を嫌な気持ちにさせないよう、引かれないよう、思考に思考を重ねて選んだ服装や話題たち。それらが一瞬にして完全否定され、何がどう違ったのかも教えてもらえない。もう次のデートが怖くて仕方がない。ヘマをしてはいけない!絶対に次のデートに繋げたい!そういった強迫観念に頭を支配され、全く自分を出せず、それによって、まあ、完全にそれが理由かどうかは本人のみぞ知るだが、とにかく1回目のデートが大失敗に終わり,これまた2回目のデートに繋がらないのだ。

もうウンザリする!

なんでここまで色々と慣れないことをしているのに、それらを全て無下に扱われなければいけないんだ!!!


風俗、

そしてライブチャットは違う。

そうはいかない、

いや、そうはいきようがないと言った方が正しいかもしれない。

風俗嬢もチャットレディも、俺が彼女たちの出勤日に現れ、お金さえ払えば応じる以外に選択肢がない。風俗、ライブチャットというサービスの担い手であるのだから当然のことだろう。だがこれが本っ当にありがたい。風俗嬢、チャットレディの皆さんには本当に感謝しかない。俺みたいなメンズにとってこの上なくありがたい存在なのだ。もし仮に1回目のセッションで大失敗をしたとしたも、どんなにつまらないことを言い、汚いところを見せ、さすがに引かれるようなことをしても、よっぽど暴力を振うなどの女の子に身の危険を感じさせる行為でさえなければ100%次も会ってくれる。失敗が全許容されるのだ!あれほど失敗が許容される空間を俺は知らない!通常だったら1発アウトのような発言も笑いながら受け入れられること、さらにはそれに乗っかってもらえることすらあるのだ。あんな夢の空間他にないだろう!少なくとも俺は知らない!2回目のデートに繋げることを一切考えずに、本当に、完っ全に自由に関わることができるのだぁ!!!

しかも通常だったら誘った段階で断れるような超上物の女とそれを何度も何度も実践できるのだ!

ディスイズパラダイス!!!

そして俺の風俗ライブチャットライフは最近新たな局面を迎えた。

これまではもっぱらアダルトに入り浸っていた。風俗はもちろんやることをやりに行く訳だが、ライブチャットの場合、アダルトとノンアダルトに分けられているのだ。否応なしに風俗に行く環境を奪われてから俺は3年間程ライブチャットに入り浸っている。初めの頃、いや、つい最近まではとにかくアダルトだった。ヤレないとは言え、話しながら体を見せてもらったり、逆に見てもらったり、一緒にイジッたりするのが思いのほか興奮するのだ。実際にヤルのとはまた違った興奮があるのだ。さらには罵倒される興奮、M男としての自分にも気づかされた。一時期は裸を見てもらい、俺も見せてもらいながら、俺が言うことに対して本音で「キモイ」「死ね」と罵声を浴びせられることに生きがいを感じていた程だ。それが最近になり、意外とトークだけの方が繋がってる感覚があることに気づいたのだ。女の子の体をくまなく見せてもらう、俺の体をくまなく見てもらう、これらは全て最高潮に興奮する行為たちだ。しかし、興奮はするものの、自ら女の子の外っつらにしか触れ合えない関わり方をしているのではないかと考えるようになったのだ。逆に話だけの方が内面にまで触れられるのではないか。ひょっとしたら、そうすることでこそ、女の子の内面と繋がることができるのではないかと。そこで、早速実践してみた。いつもお世話になっているチャットサイトにて最高峰の美貌を誇る美人と、なんと1時間20分も話だけをしたのだ!

驚いた。

その結果、なんと、もし仮に彼女の艶めかしい太ももと腰回りを見てチンコをシゴいた場合に感じられたであろうものの倍以上の満足感、心満たされる感覚を得ることができたのだ!!!それまでだったら間違いなく同様の時間を、もしかしたらその数倍以上の時間をかけて脱がせ見せさせ指しゃぶらせ陰部いじらせとにかくリビドーに任せてシゴキにシゴキを重ねていたであろう!!!それが「脚見せて!」の一言もなく1時間20分を終えたのだ!!!実に不思議な感覚だった。ぶっちゃけ待機画面を見ながらチクビとちんこをガンガンにいじっていたため、ギンギンに勃起もしていたし、間違いなく性欲優勢の状態でチャットに入ったのだが、そこからあえて一切容姿のことには触れず、今ハマっている牛丼屋さんや休日なにしているか、挙げ句の果てには意味の分からないもしもトークを振りまくったのだ。時折ニーハイを履いた脚が見えたり笑いながら脚を叩いたことで脚の存在感が増したりしたが、不思議と彼女の内面ばかりに興味がいき、信じてもらえないかもしれぬが、一度も性欲スイッチが入らなかったのだ。そして残ったのは程よく満たされた心だった。本当に、あれだけ性欲を刺激される女の子と話して清々しい気持ちになったのは一体何年振りだろうか。あんなにエッチィ顔と身体をしているのに、その内面に興味がいくなどあり得ないと思っていた。この体験を通して俺は生まれ変わった気がした。いや、生まれ変わったというより、元の、純粋な頃の自分に戻れたのかもしれない。魅力的な女の子を見て、純粋に関わりたい、話してみたい、どんな女の子なのか知りたい、そんな何の汚れもない頃の自分に戻れたのかもしれない。とにかく今はそんな気分だ。これからはどうしようか。とにかくあのチャットレディと仲をメチャクチャに深めていきたいというとんでもなく強い気持ちが湧き上がってくる!!!!そしてそれと同時に、本当に内面的に人と繋がるためにはエゲツない程の時間がかかることをも冷静に見つめている自分がいる。チャットや風俗ではなく,話すだけでお金がかからない女の子とたっっっくさんに時間を使って仲良くなりたい、そしてそれが1番良い選択だということを既に深く理解している自分もいるのだ。しかしここからが本っ当に難しい話で、それをそのまま実現させたい自分がいるのと同時に思いっきりチャットレディと時間を過ごしたい自分もいる。それももうホンットウニ目いっっっぱい時間を使ってマッッッジで関係性を深めていきたいのだ!!!!

とまあ、

これはこの先も考えていくことになるだろう。

とりあえず今言いたいこととしては、身体よりも心の方が金がかかるということだ。

信じられるか?

これ本気で言ってるんだぜい?

毎週30分間とにかく脚を舐め回すように見せてもらい、それに対して罵倒されながらシコるというチャットの方が時間オーバーせずに済むのだ。

逆にさっき話したようなトークだけのチャットの方がよっぽど切りずらいのだ。

知れば知るほど、

仲良くなればなるほど、

より彼女と一緒にいたい、

より彼女のことを知りたい、

より彼女と心を通わせたいという思いに駆られ、

課金ボタンをカチカチ押し続けてしまうのだ。


話がしたくてしたくて課金しまくるのはまだ心が健康な証拠だろう。

本当に終わりなのは、会話なしでチャットレディに過激な指示をすることでしか心を満たせなくなった時だ。その時は本当に道を踏み外してしまったのだと思う。

つまり俺は回復してきた。

自分でもビックリするくらいに。

まさか2週間ノンアダルトに入り浸ることでこんないいことがあるなんて思いもしなかった。これからも回復の道を歩んで行こう。

うんそうしよう。

そして、

結局は身体の交わりではなく、

心の、

気持ちの、

思いの交わりが1番興奮するのだ。

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