ウセモノサガシ

家戸 あず

世界の仕組みがゲームになった

どこかの国の天才科学者が

SFよろしく“どんな願いも叶える発明”を創り上げたらしい。

そして一般公募で【実験グループ以外の人間】の願いを叶えると公表した。


当選したのは10代後半の日本人

願ったのはなんとまぁ可愛らしいもので

【世界のより多くの人間が満足する世界に】

と願ったらしい


結論としてはとても過ごしやすくなった。

最たるものとしては【努力の可視化】

要するに能力パラメーターと技能に関して嘘をつけなくなったのだ。


それと、思わぬ副産物として

日本のみならず全世界的に【無職】が減った

理由としては【自宅警備員】が職業として世界に認められなかったからだろう。


この世界になって最も得をしているのは恐らく【探偵】だろう

各職業に1~3個の【職業技能ジョブスキル】が付くのだが警察などの公共機関以外で唯一相手の【能力値の委細】《ステータス》を見ることが出来る。


 それに気付いた友人の中には虚偽の情報を流してさらに儲けようとしたものも居る。

静かなカフェで話を持ちかけられ、1度断ってから1ヶ月、同じ友人に泣きつかれ再び会うことになった。

「探偵のお前にしか頼まないんだ!一緒に探してくれ!」

同じカフェで、友人の声が静寂を破る

頼まれたのでまずはスキルを使って友人のステータスを覗くと、その職業欄には【詐欺師】の3文字が。


同業者には優しくしなければ、そう思い方法を調べ、格安で職業欄を【無職】にしてやった。

 これからは真っ当に生きていくと泣いて喜んでいた。


その後男は大通りから路地へと抜ける

人目がないのを確認し

男は自らのステータスを開く

「スキル解除」

そう唱えるとステータスの文字が変わり始める


そのステータスの上部 職業欄には

【詐欺師】

の3文字が記されていた


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