第7話


「これ、あげる。」


 そう言って、手渡されたのは、小さな塗り絵帳だった。

 まだ、絵の塗られていない。


 この男の子が選んでくれたもの。


「ありがとう。」


 そう、言うのが精一杯だった。


 本当は、もっとたくさんお礼を言いたかった。だって嬉しかったから。


 でも、緊張で会えなかった。


 それでも、男の子は、笑ってくれた。


「ありがとう」


 と、返してくれた。

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