解けた手

あきれたように笑うだけの日

繰り返しの道中、ため息を意識する午前のひだまり

ひだまりというには熱が帯びすぎていて

それが人を殺すのだと、ぼんやりとそんな考察、実感


太陽の熱は垂れていく、影を垂らして昼を報せる

冷房なんて効かないもので

人に合わせた温度感に左右されながら生きるだけ

その温度差を考えるたび、息苦しくなる

自分だけ世界に孤立したような、そんな疎外感を覚えている


そんな時でも繋がる手と手を、指は絡ませ離れないよう。

熱がわだかまる、手間に生まれる雫のかけら

鬱陶しいもので、手を離してみて、手汗を拭って

力を失くして解けた手中に

寄り添う場所さえ失くしたような、そんな心地とそんな実感

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ありていのことば @Hisagi1037

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