最終話:メイド理髪店カオスの巻き。

子供扱いは許せない。

釣りの時といい、最近カノンちゃんは私を子供扱いする。

私のほうが歳上なのに。

いくらカノンちゃんでも、私を子供扱いするのは許せないと思わない?。


ある日の朝にカオスの営業日の朝。


「おはようプティ・・・・?」


「おはよ、カノンちゃん」


「あれ・・・プティ・・・その格好・・・って言うかそう思う前に分かった」


「プティ成長してるよね、まじで」

「ずいぶん大きくなってない?・・・て言うか大人の女じゃん?」

「それになに?その髪の色?」


「カノンちゃんが私を子供扱いするから大人のレディーに変身したの」

「これで対等でしょ・・・もう子供扱いできないもんね」


「え〜・・・しかも、なんでメイドの格好なんかしてるの?」


「この衣装のほうがお客さんの受けがいいの・・・」


「いいよ、もうこれ以上お客来なくてさ」

「そうじゃなくても僕とプティ二人で大変なんだから」


「閑古鳥が鳴いてる理髪店よりいいいでしょ?」

「私、これからは元には戻らないないからね・・・ずっとこのままでいるから」


プティは観音さんから子供扱いされたくなくて歳のころなら25歳くらいの

大人のレディーに変身した。

前よりも大人らしく色気ありありでチャーミングでキュートな女になった。


観音さんはプティの変身に驚いたけど、まんざらでもなかった。

前まではどこか、幼さを感じていたプティだけど今やその面影はない。

だから内心では今のプティを気に入った。


本当にプティ目当てにお客も来そうだった。

だったじゃなくて絶対来るよね。


プティは大人なレディーなんかになったもんだから観音さんは今までと

生活感が変わってきた。

毎晩、観音さんのベッドで一緒に寝てるプティ。


以前のプティなら観音さんも、なんとも思わなかったんだけど・・・。

大人になったプティに寄り添われるとね。

状況がぜんぜん違って来るから・・・。


どうしてもプティを意識しちゃって眠れない。

寝返りばかり打って・・・そのたびにプティのことがまた気になる。


観音さんは紳士的だし真面目で道徳心もあってモラルもある人だから

エッチい気持ちになっても、それを行動に起こしたりはしないけど・・・

それでもね。


まあ、プティは今までだろうが大人のレディーになろうが、観音さんの

ことが好きだから観音さんがもし迫ってきても、それはそれで受け入れても

いいって思ってるわけで・・・。

一応ふたりは恋人同士ってことになってるわけだし、とくに問題もない。

それは暗黙の了解ってことかな。


まあでもそこは大人の観音さん・・・理性ってものが働く。

いつかそう言うロマンティックな時が訪れるかもしれない。

その時までは、慌てず無理をせずプティを見守って行こうと思う観音さんだった。


で、プティが大人なレディになったもんだから、カオスのお客は少しづつ

増えていった。

観音さんが心配した通りになった。


しかもプティはメイド衣装を魔法で毎日ローテーションするもんだからカオスは、

まことしやかに「メイド理髪店カオス」って呼ばれるようになっていった。


とりあえず、おっしまい。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

かわいい魔女プティ。*イノセント* 猫野 尻尾 @amanotenshi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画