医療機関を受診しよう! でもどこへ? ②
さて今回は「診療所を受診しても良い場合」について、おすすめの状況をいくつか挙げてみたいと思います。
まず、これ以降お話しする「診療所」とは、無床の(つまり入院設備を持たない)診療所を指しています。
まあ、ご近所にある開業医さんをイメージしていただければわかりやすいかと。
診療時間はおおむね9時~18時、あるいは19時。
夜間診療や救急受け入れはしていない、という感じですね。
これに対し「病院」とは、前回お話しした病院の区分の中でも100~200床以上の規模を持つ、「総合病院」あるいは「大病院」を想定しています。
前提条件として、CTやMRIといった、診療所にはあまり設置されていない検査機械を備えていること、また手術を行っていることとします(科に
もちろん病院ですから、いざという時に入院は可能です。
またこの二つを比較するに際して、とりあえずは通常時間帯での比較とします。
通常、診療所は時間外には対応していませんので(夜間・休日当番医はこの限りではありません)、夜間や救急の際は必然に病院に行くことになる可能性が高いからです。
それでは、どのような場合に「診療所」を利用するのか。
いくつか例を挙げてみます。
① 薬をもらえれば、それでいい時
さあ、どうでしょう。
これにもいくつかの状況が想定されます。
まずは、自分で軽傷であると判断できる場合。
高熱ではない通常の風邪だとか、肩こりで湿布をもらいたいとか。
つまりは、いままで同じような症状が時々あって、薬があれば治るだろうと自分で判断できる場合ですね。
このような場合は診療所でも十分です、むしろ病院に行っても時間とお金が余計にかかると予想されます。
また、すでに診断がついている何らかの持病があって(高血圧とか糖尿病とか)、状態としては安定していて、内服と簡単な検査(採血など)で経過観察可能と判断されている時。
これも診療所で問題ないでしょう。
むしろ大病院で診断を受けた後に、後は診療所に通院してください、と言われるケースの方が多いと思われます。
もちろん状態が悪化すれば、逆に大病院へ紹介されることになります。(紹介してくれない場合は、その診療所のスタンスに大いに問題があります)
② 予防接種を受ける時
これもその予防接種の在庫さえあれば、診療所で何の問題もありません。
ただし医療機関によって料金が多少異なる場合もありますので、気になる場合は事前に電話で問い合わせるとよいでしょう。
③ とにかく急ぎで、何らかの診断書が必要である時
これは今ならずばり、コロナかインフルエンザですね。
子供さんの場合は、はやり目(アデノウィルスによる流行性
つまり、学校や職場を休む根拠が必要となる場合です。
とにかく診断がつかないと、休まないといけないのか、いつまで休むのかの判断がつかない時です。
これも診療所で大丈夫だと思われますが、いまだにコロナ疑いの発熱患者さんの受診に
また息切れや食事が入らないなどの
あとは交通事故で軽い首の痛みなどがあり、警察に診断書を提出する場合(人身事故扱いになります)は、整形外科の受診が必要でしょう。
この場合、軽傷だと自分で思えれば、診療所のX線検査レベルでとりあえずは事足りると考えられます。
一方、動けないほどの何らかの強い痛みがある場合には、病院の方がベターと考えます。
動けない状態が続けば入院が必要となる可能性が出てきますが、診療所では入院対応できないからです。
痛み止めを処方されて自宅で経過を見てくださいと言われてしまうか、あるいは病院へ紹介されるかの二択になりますが、紹介される可能性があるのなら最初から病院へ行ってしまった方がいいのではないかと。
また自律神経失調症や適応障害、うつ症状などで休職する場合、
ただしこれらの診断には数回の受診による評価が必要であったり、そもそも診断基準に合致していないと診断自体が下されないので、受診即日に診断書がもらえない場合もあることは知っておいてください。
④眼科、
この3つの科については、病院ほどの大きな検査機器がなくてもある程度正確な診断がつく(可能性が高い)ので、とりあえずは診療所で大丈夫でしょう。
手に負えない病気が見つかれば、病院へと紹介してくれるはずです。
⑤精神神経科、心療内科
これもケースバイケースですが、いきなり病院の心療内科はハードルが高いかもしれません。
ただしこの科に関してはすごく当たり外れが大きい印象なので、いったん受診して見て、自分に合うかどうかを
とりあえず思い付くのは、ざっとこのくらいでしょうか。
「え、これだけ?」と思われるかもしれません。
怪我した場合は、血圧が心配な場合は、手先のしびれが気になるのだけれど、などなど。
大した事なさそうだから、病院を受診するなんて大げさだから、と
大したことがないというのは、しっかりとした診断があって初めて言えることなのです。
ある症状から一つの診断にたどり着くまでには多くの場合、石橋を叩こうと思えばかなりの検査が必要になります。
病院に行くと検査
検査で安心を買っているのです、医師も患者もお互いに。
検査をしないと、医療機関も自分を守ることが出来ないのです。
見逃すと常に訴えられるリスクがある仕事なのです、医師というのは。
自分も、大丈夫だと思っていても精密検査を勧めるタイプです。
何か異常が見つかるというのも重要ですが、検査で異常がないという事も、等しく重要なのです。
逆に、何も検査しないのに大したことがないと断言するような医師は、避けた方がいいでしょう。
たとえば軽い突き指だろうと思って念のために整形外科を受診した時、検査をせずに患者を家に帰して後日骨折が判明すると、最悪医師は訴えられます。
もちろんですよね、そんなずさんな診察、あなただって怒るはずです。
だから、X線写真すら撮らないような整形外科は早々に見切りをつけなければなりません。
しかしX線ではよくわからず、CTやMRIでようやく判明するような骨折も結構ありますが、これについては診療所では対応できません。
何回か診療所に通って、X線では問題ないですねおかしいな、を数度繰り返してから、ようやく大病院に送られる場面も多いです。
上記のような理由から、特に初めての症状の場合には、いきなり大きな病院を受診することも一考に値すると思います。
整形外科を例に挙げましたが、めまい、軽い吐き気、
もちろん初診の方全てが大病院に集中することは避けなければなりませんが、診断があいまいなままに延々と診療所に通うのも、あまり賢明とは言えません。
ならばせめて、こんな時はためらわずに大きな病院に行け! という場合だけでも頭に入れておくべきと考えます。
そこで次は、「大病院に絶対に行くべき場合」を述べてみたいと思います。
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