詩・感染

桐原まどか

詩・感染



あの日、わたしは感染してしまった。

不治性のやまい


あなたの顔を見たい。

あなたの声を聴きたい。

あなたに…触れたい。

これが恋に堕ちる、というもの?

どこか、自分を客観視してるわたしがいた。


―これが恋なら、わたしはもう、以前には戻れない。



あの日、僕は感染してしまった。

不治性のやまい


君の顔を見たい。

君の声を聴きたい。

君に…触れたい。

これが恋に堕ちる、という事か。

どこか、自分を客観視してる僕がいた。


―これが恋なら、僕はもう、以前には戻れない。


二人で堕ちていく。


堕ちていく。


底へ。


薄暗く透き通った底へ。


感染者たちが堕ちる、甘美な痛みとともに。

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詩・感染 桐原まどか @madoka-k10

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