第14話 両獅子の激突
「業正を討ち取れ!油断をしてはならぬ、しっかり目で判断せぃ!」
「おおっーーー!」
餓狼の如く群がる北条軍からは多くの殺気と熱量があった。業正は憲政が逃れたのを確認すると、即座に撤退戦の殿をつとめた。
「ここは上州から近い!箕輪城から援軍がくる、それまで耐えきれ!」
槍、刀の白兵戦が始まると同時に弓、鉄砲も乱射される。業正も氏康も死を決しての突撃であった。
「氏康様!ここは路が狭く大軍の我らは自由に動けませぬ。危険ですぞ!」
「左様……。槍衆!一旦退け。鉄砲隊前に!」
危険を感じ取った業正も一旦全軍を引き下がらせる。こんな狭い路で弓矢の餌食になったら敵わないからである。
長野軍は兵を千人を割き別働隊として北条軍にバレずに行動させた。
その間も長野、北条両者共にかなりの兵を消耗した。
長野軍が退いたことを確認した氏康は少しずつ前進させた。
だが、策略家ならではの気づきがあるのだろう。
長野軍が北条軍に攻撃しないことを訝しんだのだ。
「全軍!横合い、後方に注意せよ!」
ただ氏康がもう少し早く気づいたらこれは防げていたであろう。
北条軍の後方が白煙で覆われた。
別働隊の長野軍が鉄砲を放ったのだ。
混乱は増していった。
箕輪の黄斑 長野業正 @Radkaw66
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