椅子に座るまで
華猫
一日
椅子に座る
荷物を置く
目を覚ます
寝る
コーヒーを飲む
顔を洗う
シャワーを浴びる
散歩をする
トーストを食べる
通勤、通学をする
電車で音楽を聴く
人が歩いているのを見て、自分も歩く。
多くの人が今を生きている。
同じ時間、同じ空間、違う場所、違う価値観、沸き起こる感情。
目に慣れた光景を見て、何も思うことはなく、それぞれの一日が始まる。
何もない日常が楽しくて、何か起こった非日常が楽しくて、
また明日が来る。
何かが起こる時と、何かを起こす時の緊張と期待が、生きる原動力になる。
そして疲れたらまた日常へと戻る。
それを繰り返して、繰り返して、眠る。
0から始まる。
そして0で終わる。
やりたいこと、やらなきゃいけないこと、タスクをこなしていって、毎日を満喫して。
その理想形が0
これも原点。
生まれた瞬間、何かが変わった瞬間、何かを変えようとした瞬間、終わる瞬間。
すべてがスタートラインになる。
だから無限の可能性を秘めている。
それを、
削っていって、
擦れて、
減っていって、
形作る。
その数が100でも200でも、文句を言わずに毎日近づけていく。
いくつものそれを繰り返していくと、今度は0へと向かう。
生きる意味を見つけて、
生きる意義を探して、
生きる目的を求めて、
生きる今を、奏でる。
叶う
願う
期待する
努力する
運に任せる
見栄を張る
口だけが物を云う
時々に感動して、ページを捲って、笑って泣いて移入して、エンドロールが流れる
誰かと一緒にいたい、何になりたい、何をしたい、
今もずっと風は吹いている。
葉が揺れて、
雨も降る。
地が湿って、
朝日が昇る。
今日も夢を見て、
椅子に座るまで 華猫 @lkaneko5
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