ノーマルコンプレックス

@moyouth27

第1話

まず最初に、僕は凡人というものにコンプレックスがある。中二病臭いと思われるかもしれないし、実際思春期の青年にこういった悩みはつきものだろう。けれど、中学を卒業しても高校を卒業しても、僕のこのコンプレックスは消えなかった。(まあ何をもって凡人とするかなんて曖昧に過ぎるものではあるが)




始まりは幼少期。斜に構えた小学生だった僕は、「自分は同世代の平凡な子供達とは価値観が違う」と漠然と感じていた。だが中学に上がり、僕の人間交流の幅は広がり始め、多くの「個性的な人々」を知ることになる。平凡なものに飽き飽きしていた僕は自然と彼らのもとへ引き寄せられ、個性的な友人を得た。しかし、それ以降僕は「ノーマルコンプレックス(凡庸であることへの忌避感や劣等感)」を感じ続ける。








そう、単純に、彼らは僕以上に変わり者だった。








興味津々で友人と遊んでいるうちに、私は確かに「特別な何か」を彼らの中の幾人から肌で感じたのだ。私のように、単に利発さが早熟であっただけの者とは違う、未熟だが「いずれ確かに何処かへと到達しうる才能」を。少々大袈裟かもしれないがそうとしか言い様がない。




でも、やっぱり変人の話を聞くのは楽しくて、彼らと居ると「特別」に近づけるような気がする。だからどれほど劣等感を感じても僕は彼らに惹かれてしまうのだ。




「普通ということをどう思う?普通ということは、放っておいたら……ずーっとそのままだということだ。だからそれが嫌なら……どこかで普通でなくならなければならない」                      霧間誠一


(引用:上遠野浩平『夜明けのブギーポップ』)

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