偽物戦記

あさのたけし

本編

終い。終い。お終いだ。

僕は何を得れなかった偽物の犠牲者だ。

多くの人を殺したんだ。正義という名のもとに。

「岡田ッ!何震えてんだ!ここは戦場なんだぞ!」

「知ってますよ!!!知ってますから、黙っててください!!!」と怒鳴りを怒鳴りで返す。

「……ったく、使えない奴だな」

俺の本物って何処にあるんだ?

「岡田ッ!おいしっかりしろよ!」

「黙ってろ、中島———。こんな現実受け止められる方がおかしいんだ!!」

その間も仲間は、次々死んでいく。そんな時だった。

「だったら、お前の家族皆殺しにする!されたくなけりゃ成果を出せ———!」

「家族なんてどうでもいいですよ」とポツリと呟くと頬を思いっきし叩かれる。

「大馬鹿もの!いずれ家族を継ぐものがそんな覚悟でどうする!生きて帰ることこそ、最大の恩返しじゃないのか!」

「てめぇ、よくも!!———この心は偽物でもこの想いは本物なのに!それを馬鹿にしたな!よし、決めたぜ。俺は立派な軍兵として“全員“を生きて帰す!!!」

「待て!!!!!お前、何を!!!」

「ありがとう中島さん、僕をぶってくれて。おかげで、目が覚めました———」


ここに一人の英雄が誕生した。

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偽物戦記 あさのたけし @ggang_745

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