ご当地ヒーロー"ジャガナー"
かんたろう
第1話
私は岡山県の田舎で育った。地元には「ジャガナー」というご当地ヒーローがいて、ジャガナーというのは岡山弁が語尾に"じゃが"とつくことが由来のようだ。
皆さんには私と、3つ下の妹が小さかった頃の思い出をお話したいと思う。
ある日、妹が
「ジャガナーと一緒にピカピカするんじゃ!」
と保育園から帰ってきた。
今度、ジャガナーが交通安全のイベントを地元のホールでするらしく妹が通っていた保育園の園児が参加するようだった。
ピカピカというのは、"暗くなったらライトをつけて歩きましょう"ということでライトを持ってジャガナーとステージに上がるという。
「すごいが!お姉ちゃん見に行くね!」
無事イベントは終わり、妹は余韻に浸っていたのかしばらくはジャガナーの歌を歌っていた。
「お姉ちゃん!ジャガナーの歌教えてあげる!」
一緒にお風呂へ入ってるときも、車での移動中も2人で歌って遊んでいたことが懐かしい。
私たち姉妹のプチブームだった。
それから、数年経ち私は中学生となりジャガナーの歌もすっかり忘れていた頃。
妹が久しぶりにジャガナーの歌を歌った。
「え、懐かしい...よく一緒に歌っとったね」
「お姉ちゃんも覚えとるんじゃ〜」
「覚えとるに決まっとるが。あんなに一緒に歌っとったし、今考えれば結構キャッチーで覚えやすくて良かったよな。あの歌。」
「そんなに褒めてくれるんや」
ん?
「あれ、作詞作曲私じゃで。」
え、、、
「え、でもジャガナーのイベントの後から歌っとったが」
「うん、だからその後に自分でジャガナーの歌作って歌っとったんよ」
今まで一緒に歌ってきたことを思い出せば思い出すほど、笑いが止まらなかった。
全く気がつかなかった自分と、保育園児だった妹の才能に2人で笑った。
大人になった今でも、妹の作ったジャガナーの歌は歌詞も全て覚えているし歌える。
私の大好きな歌だ。
ご当地ヒーロー"ジャガナー" かんたろう @kankan1616
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