俺は俺
寝たら男に戻った、何だったんだろうか。夢だったかもしれないが、枕元にはしっかり昨日の服が散らかっていた。今日は月曜日普通に学校がある。しばらくベッドの上で放心状態になってると、母親の怒号で慌てて家を飛び出した。
いつもの俺に戻ってる、ある場所にあるものが戻ってる。じゃぁ昨日のアレも全部本当の話だったんだと、改めて思うと恥ずかしくてしょうがないし直希に合わせる顔がない。
急に優しくなってきたりしたらそれはそれでキモいし、どうしたものか。いつも通りに接する事で正気を保つそれだけだな。
「直希おっはよー」
「朝から声がデカイ、やめろ」
よかったいつもの直希だ、あの時の出来事は全部さっぱり忘れるに限る。後悔してても仕方ないしな。
「人の顔を見て何笑ってる。気色悪い」
「いやーいつもの直希だなって」
(忘れてないぞ)
直希が何か言ったが、聞こえなかった。俺は今は立派な男に戻った事だしめでたしめでたしで、いいと思う。小さな声で直希が喋ってることに背を向けながら、俺は今日も元気に過ごそうと思う。
俺のことが大嫌いな男が女になった俺に惚れてる 富田林早子 @tonof
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