ねぇ、知ってる?
「ねぇ、知ってる?」
イキナリ悪友のAが話しかける。
「何の事?」
俺は答える。
A「宇宙人が太古に地球に来ていた証拠」
俺「何それ?」
A「アメリカで約5億年前の古生代の地層から『サンダルの様な靴底で踏みつぶされた三葉虫の化石』が発見されたんだ」
俺「何それー⁉」
A「古生代には人類はおろか、脊椎動物もまだいない時代に『人の足跡』があったのだ」
A「しかも、その時代に生息していた三葉虫を踏みつぶしていた」
A「これが、宇宙人の存在の証拠以外に何になる!」
俺「おぉ、スゲー!」
A「足跡には踵や土踏まずの窪みがあって、横には靴底と上部を縫い合せた筋まで残っていたんだ」
俺「それで、それで!」
A「この化石は、宇宙人は太古に地球に来ていた証拠だ!」
俺「おぉー!」
A「と、言われていたのだが……」
俺「アレ?」
A「過去に『生物の足跡の化石』は少数ながら各地で見つかっているんだ」
A「『足跡の化石』は大概、同じ様な跡が等間隔で直線的に続いているんだ」
俺「そりゃ、歩いているからな」
A「そう、恐竜や大型動物、三葉虫まで幾多の『足跡の化石』も、この通りだった」
俺「うん、うん」
A「しかし、『宇宙人の足跡』と言われるこの化石は、この一歩しか残っていないんだ」
A「その前後には、何も痕跡が無いのだ」
俺「つまり、歩いていない?」
A「その通り! まるで誤って『宇宙人が落とした靴跡』みたいだ」
A「そんな事は中々考えられない」
A「現在ではこの化石は、『サンダル位の大きさの三葉虫が、小さな三葉虫に乗っかった化石』と考えられている」
俺「へー⁉」
A「側面にあった縫い跡も、大きな三葉虫の脚の跡だと考えられている」
A「たぶん化石になった時に、上の大きな三葉虫は何だかの原因で痕跡以外は残らなかったのだ」
俺「以外に単純な理由だな」
A「月面のアポロ月着陸船の周りに残る足跡みたいな物が化石で見つかれば、『宇宙人の来た証拠』になるかもね」
俺「そうだなぁ~」
A「話変わって、ねぇ、知ってる?」
俺「何だよ!」
A「静岡の浜名湖が『ダイダラボッチの手形』だって事」
俺「もう! いいわ!」
お後がよろしいようで……
足跡 わたくし @watakushi-bun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます