足跡

わたくし

中間報告

 銀河系 GAX684684 辺境部にあり 

 恒星 SOL5684735 に所属する

 惑星 TER1548648 の中間報告


 地球を離れて約5年、我々の宇宙船は空間跳躍ワープ航法を何回も経て今回、地球から約5000万光年の距離の銀河系 GAX684684の辺境部に存在する恒星 SOL5684735に所属する惑星 TER1548648に到達した。


 この惑星は恒星 SOL5684735のハピタブルゾーンに位置する惑星で、長距離観測で水と生命が存在する可能性があるとされていた。

 今回の接近でこの惑星の表面は殆ど水で覆われていて、陸地の部分は少数の火山活動で吐出した火口とその周辺部だけだと観測できた。

 気候は温暖で酸素濃度は地上に植物が無いので我々の地球より薄目である。しかし、水中内では藻類が大繁殖をし水中酸素濃度はかなり濃い状態である。


 我々は搭乗型ドローンに乗り惑星各地を飛行して、観察・標本採取を行った。我々の予想通りにこの惑星の水中では生命が発生しており、単純な単細胞生物から複雑な多細胞生物へと進化して外骨格を持つ生物まで出現した。

 水底で栄養分を摂取する生物や藻類を食する生物、それらを捕食する為に大型化し運動能力に優れた生物など多種多様な生物相が出現していた。

 我々に近い脊椎動物の先祖に当たる生物も出現しており、まるで生物進化のモデルルームの様である。


 まだ地上には原始的な単細胞生物だけが存在し、多細胞生物は波打ち際に藻類が繫殖するだけであった。この先、生物が陸上へ進出して数多くの進化や絶滅を繰り返してこの惑星を「生命の星」にするであろう。

 その進化の果てには、我々の様な知的生命体が現われるであろう。

 その時まで、我々はこの惑星の観察・観測を継続的にする必要がある。


 なお、サンプル収集時に搭乗型ドローンのバランサーが不具合を起こし、誤って片足を浅瀬に踏み込んでしまった。

 船外活動服は特殊コーティングで守られているので、この惑星の生態系や宇宙船内への環境汚染は無い模様である。


 以上。



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