リンダリンダ

第1話

　ザ・ブルーハーツというバンドが嘗てあった。そのバンドの有名な曲に「リンダリンダ」というタイトルのついた曲がある。

　ドブネズミみたいに美しくなりたい写真には写らない美しさがあるから。僕は、この出だしの歌詞を聴いてぶっ飛んだ。

　ドブネズミみたいに美しくってどういうことだよ！　全然美しくなんかないじゃないか！　汚いよ！　臭そうだし！

　しかし、この後に続く、写真には写らない美しさがあるから、で僕の中の苛立ちはおさまった。主観的見解を述べるならば、ドブネズミの外見は確かに汚い。でも、写真には写らない内面が心がとても綺麗で美しいと言いたいのではなかろうかと……。

　僕は、この出だしの歌詞の意味が最初は分からなかった。そんなことより、ノリのいい曲調に嵌められて、僕はこの唄を口ずさみ時にはシャウトしていた。

　そして、この曲を大好きになっていた。

　写真には写らない美しさという深遠な言葉。このことについては、僕は一言いいたいことがある。

　あの選挙ポスターの面の皮が厚いその奥に腹黒い心が見え隠れしている政治家達に、ザ・ブルーハーツのリンダリンダを僕は聴かせたい。

　政治と金の問題は、遠い昔から現在まで付き纏っている。選挙で笑顔のポスターを掲げ、清廉潔白の演説をしてまわる政治家全てとは言わないが、一部の政治家が汚職事件を起こし、新聞紙面を賑わすことはよくある話だ。

　この私欲に満ちた政治家どもよ！　金に汚い政治家どもよ！　ドブネズミみたいな美しさを見習え！