花は根に鳥は古巣に帰るなり春のとまりを知る人ぞなき

地方の因習や神話を背景にした独特のホラーで、読者を引き込む力が強く、「エノケ」や「あの神」といった謎めいた要素が物語に深みを与え、最後まで緊張感があり、作者の描写力と物語る力が光る作品だった。
なんてものを書くのだろう、この作者は。

五感の描写について、視覚的情報はもとより、聴覚や嗅覚、触感、味覚を刺激する情報が意識的に書かれている。
とくに嗅覚、においの描写がいい。

いろんな意味で恐ろしい。

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