エピローグ

「これでこそ我が生まれてきた意味よ。」


レムリアン王国。

王は自室でワインを傾ける。


すべてうまくいった。

これから自分の時代が始まる。


「リザよ…お前は我を許さないだろうな…。我は誰よりも我が身が一番だった。」


呟いた王の後ろのベッドでは最近城で雇った女が眠っている。


「許せ…リザ。我が意志は後世に伝え続けなければならないのだ。」


んんっと、女が寝返りをうつ。

布団がめくられ、女の裸体が露わになる。


「我は王なり。」


王の血は継がれる。

レムリアン王国は血縁者による王位継承の歴史、それは以後も守られ続けた。




次に大きく世界が動き出すのは約千年後。

レムリアン王国に双子が産まれた事により王位継承問題が再び浮かび上がる。


同じ年

森の中で響きわたる赤子の泣き声。

オギャーッと必死に自分の存在をわめき続ける。


男は必死にその声の主を探す。


生きる事を辞める為に森に入った男だったが、突如聞こえてきた泣き声の主を助けられるのは自分しかいないと思い、絶対になんとかしなければならないという気持ちに駆られた。


もう誰も死なせたくない。


女性の石像のすぐそばに赤子の姿を見つけた。

まだ産まれて間もないように見える。


赤子の着物の胸元に1枚の紙。


「アラシ。」


男が口にすると温かい光が男を包んだ。

温かく優しい光の中女性の声が聞こえた。


この子を守って。


一気に流れ込んできた映像と言葉の後、男は再び生きる決意をする。

この赤子が自分に

生きろ

と泣いているようにも感じ、急に愛おしくなった。


ここから、アーシファとクロイツの魂の物語は再び

始まる。

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ツイン・ソウル〜起〜 愛子 @aki1985

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