To Be Continued

燃える街。

村。


逃げ惑う人。

戦う人。


世界は二分されていた。


レムリアン連合の勢いは留まることを知らない。

自分達に従えないものには破壊の限りをつくす。

ただ私利私欲の為だけに。


ハヤブサ族の村も選択を迫られていた。

戦火はすぐそこにまでやってきている。


そんな危険と隣合わせの中アスカのお産が始まった。

少し予定よりも早かったが難なく出産は進む。


森のすぐそばで鳴り響く轟音。

そんな戦争の嵐の中、一人の男の子が誕生した。

元気に産声をあげていた。


まるで嵐みたい


アスカの頭によぎる声。

羽ペンを握り、紙に名前を書く。


シグレは直ぐ様に魔力を放出する。

シグレという母親なりの、祖母なりの子孫の守り方。


二人を石化する。


最大力ですぐに解けないように。

平和な世界を生きられるように。


何も知らされていなかったアスカ。

アスカは戦うつもりだった。

生まれ故郷もすでに戦いの中にある。

ただ、抵抗しようにも産後の体は言うことを聞かず、だんだんとアスカと子どもは石化していく。


シグレもハヤブサ族の皆も笑っている。


あぁ…皆知ってたのか…。


アスカの記憶がぷつりと消える。




この時

を生きていたほとんどの者達にとって、ひどく悲しい時代だった。

世界が誕生してから初めて人口が大幅に減った。

一部の者達にとっては史上最高の時代だったかもしれない。

世界が自分達の意のままに動かせるようになったのだ。


ヤマトヲグナもメカニクも

ウィンダムも

タカ族の村もハヤブサ族の村も

神を崇める国も

他の小国達も


多数の死傷者を出し、最後はレムリアン連合に統合されるような形となった。


事実上、レムリアンは世界のトップとなったのだ。




激動の時代の終わり。

しばらくレムリアンとの交渉はあったが、世界はある程度の機能を取り戻し平和と呼べる時代となる。

皆の心の傷は癒えない。

失くされた命も帰ってこない。

それでも人は生きている。

日々は続いている。






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