新社会人のあなたへ2
周囲の同期はあまり信用しないほうがいいです。だって本命の企業にフラれて仕方なしにあなたと同じところに就職しているだけで会社に対する愛着なんてゴマ粒ほどもないかもしれませんしね。表面上はニコニコしていても腹の中では転職の二文字で支配されているかもしれませんよ。仮面就職浪人です。
だから、入社当初から先輩に気に入られる努力をしておきましょう。もちろん、仕事のために勉強するのも大事ですが、縦の人間関係を構築しないと肩身狭いですよ。先輩に気に入られるってなんか邪道な気もしますが、結局、そういう人って何だかんだ仕事できますからね。社員に受ける技術は顧客にも通用します。
最後に、いつまで経っても役職に就かないと社内にいづらくなります。今は入社したてで数年後のことなんて想像しにくいと思うので、僕の実体験を聞いてください。僕は2年目に鬱を発症し、二ヶ月休職しました。その時点で、僕は役職者としてはリスキーと評価され、三十歳になる今年も役職なしです。
生き残った数少ない僕の同期は全員役職者となりました。まあ納得です。今年三十歳になりますからね。でも辛いのは僕の後輩がどんどん立場を追い抜かしていくことです。非情にも僕の後輩は直属の上司となって、指示や指導をしてきます。最初は気まずそうにしていましたが、最近は僕の業務進捗が遅いことに苛立ちを覚えているのが見て取れます。
転職も考えましたが鬱病で休職の経歴があり、今年三十歳にもなる僕が転職市場で高い価値があるとは思えません。むしろハイリスクローリターンな人材だと自負しています。そんな僕は転職するより肩身の狭い思いをしながらせっせと生活費のためにこの会社に縋りつくしか解決方法はないと考えています。
今日、入社されたあなた、こうなりたいですか? なりたくないですよね。暗いですよ。出口のないトンネルをひたすら進んでいるような感覚です。それが僕の人生なんですよ。嫌だったら病気にならないようにし、なおかつ先輩に好かれるように立ち振る舞い、適切な速度で昇格できるように頑張ってください。
新社会人のあなたへ 佐々井 サイジ @sasaisaiji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます