第4話


 それからというもの、僕は毎日毎日訓練に明け暮れた。

 おじさんの言うとおり、訓練はとても厳しくて苦しかった。

 けれど、それでも僕は、まひるちゃんたちを思ってどんなに辛い訓練も乗り越えた。


 僕にはやるべきことがある。


 弱音を吐く暇があったらもっと努力をして、ひとりでも多くのひとの命を救うんだ。


 あの日できなかったことを、できるようになるんだ。後悔しないために。


 そう、何度も挫けそうな心に言い聞かせて。


 そして僕はとうとう、いくつもの難しい試験を突破して、本物のレスキューになった。


 災害現場でひとつ、またひとつと命を救うたび、僕の胸を支配していた罪悪感が取り払われていくようだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る