第4話 銃撃戦

鍵穴も何もない鉄のドアに

オレの持っている鍵が差し込まれ、ガチャリと音が鳴る

そしてドアが開いた

手前に引いて中を覗く、誰もいない


「どうぞ」


ガルに先に行くように促す


「おう」


オレの横を通り過ぎていくガル

よし、このまま閉めて逃げ、、


「こい」


銃口を向けられる


「はい、、」


オレは大人しく従うことにした


中に入るとそこは、軍事施設らしい無骨な空間だった

長い廊下が続いていて、ところどころに鉄の扉がある


「いくぞ」


ガルに指示されるがままついて行き、ドアを何枚も解錠していく


「ねぇ、早く帰りたいんだけど、、」


「もう少しだ、がんばれ」


「はい、、」


いちおう応援はしてくれるらしい


「ここだ」


ガルがワクワクした顔で扉を指さす

オレはその扉を解錠して中に入った


そこはサーバー室のような場所で、複数の機械が配置されていた


「ビンゴだぜ」


ガルは感動したように目を輝かせて、ニヤけ顔のままパソコンに近づいた

そして、USBメモリのようなものをパソコンにさす


すると

そのメモリの上に小さい魔法陣のようなものが展開され、少しずつ色が変わっていった

白から緑色にだ


「魔法陣が緑になったらコピー完了だ」


「なんか、、魔法なのに魔法っぽくなくてガッカリ、、」


ついそう呟いてしまう、なんか機械っぽくてダサいと感じたからだ


「あん?テメェも魔法使えんだろ?こんなもんだろ、魔法なんて」


「、、、」


「なんだ?黙ってるつもりかよ?

魔法の鍵使いさんよぉ?」


「、、鍵を使った転移魔法と、、隠蔽魔法だけね、使えるのは

だから、他の魔法は新鮮なんだ、、」


「へぇ、それが本当なら面白い隠蔽魔法だな

軍の魔力探知に引っかからない高度な隠蔽魔法だ」


「そんなん知らんもん、、」


「まぁいいぜ、これからたっぷり時間をかけて、おまえの秘密暴いてやる」


ペロリと舌なめずりをするガル


「こわい、、」


「もうコピー終わったな、いくぞ」


「あーい」


ガルの後ろについて部屋から出ようとする


ガチャ


扉を開けると


「え?」

「は?」


目の前に軍服の男が1人

アサルトライフルを抱えていた


「貴様!?侵入者!?」


Bang!


ガルのピストルが火を吹いた

目の前の軍人の脳みそを弾け飛ばす


「ひっ!?殺した!?ぐ!グロい!」


「いいから走れよ!」


ガルが走り出すのであとを追いかけた


前を走る美女の短パンのケツが眩しい


「じゃなくて!オレ死にたくない!」


「気が合うな!俺もだ!はは!」


笑うガル


しかし

ウーウー!

と警報が鳴り出してしまう


「これやばくないか!?」


「やっべーなぁ!」


「なんとかしてよ!」


「できる限りはやるさ!」


Bang!Bang!


ガルが正面から来た敵兵を2人追加で撃ち殺す


「なんなのおまえ!?殺し屋かよ!?」


「イカすだろ!」


「イカさねーよ!こわいよ!」


走ってついていく


「ドア!あけろ!」


「はい!」


オレは指示通りドアを開けて先に進む


ババババ!!


後ろからアサルトライフルの音

近くの壁に被弾する


「ひぃ!」


走る、ひたすら走る


「なんとかしてくれー!」


「テメェも戦え!」


「銃持ってない!持っててもどうせ当たらん!」


「役立たずが!」


「ごめんなさい!んあ?」


「どした?」


一旦立ち止まり、曲がり角でガルが銃撃戦を始めたとき

ふと思い当たった


「てか、オレがさっきの髭軍服のオッサンがいた場所にドア繋げば解決なんじゃね?」


「、、、」


「なんで真面目に一個ずつドアあけてんだ?」


「、、テメェ!最初から思いつきやがれ!」


バンバンと銃を撃ちながらガルが文句を言ってくる


「ガルが開けろって言うから!」


「うるせぇ!早く!そこの扉!」


「わ!わかった!」


オレは近くにあった物置への扉に鍵を差し込む

そして、さっきガルに気絶させられた作戦会議室のことを思い浮かべ


ガチャリ


「おや?戸塚殿?

任務に向かったのでは?」


首を傾げた髭軍服のオッサンが目の前にいた


「ガル!あいた!はやく!」


「おう!便利な旦那様だぜ!まったく!」


ガルが飛び込んでくる

中に入ったのを確認して、すぐにドアを閉めた


「はぁ、はぁ、、死にかけた、、」


「ははは!まったくだぜ!」


♢♦♢


「ここに逃げ込んだのか!」


「はっ!」


「一気に制圧しろ!」


「はは!」


突如現れた侵入者

その二人が入ったという部屋の前に兵士たちが集まる


そして、ドアを蹴破り、なだれ込んでいった


しかし、そこには人影1人、ありはしなかった

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