第2話 修学旅行の説明
「2学期が始まったばっかだが、修学旅行の説明をする」
担任がそう言うと何枚かプリントが配られた。
「基本的にはそこの紙に書いてある。なにか分からなければ質問な」
日鳥はプリントをざっと見た。その内容とは
1.グループは千実虹学院と菫紫学園の生徒全員からランダムに決まる。グループ分けの内容は3日前に公表する。
2.バスの座席も同様に生徒全員からランダムできまる。座席は当日座るまでは隣が誰か分からない。帰りの座席も同様にランダムで決まり、同じ席になることはない。
3.修学旅行中は基本的にグループで行動する。問題があれば近くの先生を呼ぶか、いない場合は連絡をする。
4.部屋は男女分かれるが、消灯時間までは部屋の行き来は自由。
5.行き過ぎた行為はしない。
「これで以上だが、今年は1つ例外がある。日鳥、お前はグループ行動ではなく1人で行動することとなった」
「・・・え」
急に言われたことに驚きを隠せない日鳥。
「向こうとも相談した結果だ。・・・まあ、気の毒だな」
先生が憐れむように視線を向けてきた。
「・・・分かりました」
日鳥が頷いたとき先程の少女が声をだした。
「ち、ちょっと先生!それは日鳥くんが可哀想じゃないですか!」
「「「そうだ!そうだ!」」」
何故か女子達が抗議をあげていた。
(みんな優しいんだなぁ)
日鳥がそう思っていたら先生が言った。
「仕方ないだろう。こうしないと向こうも納得してくれなかったんだ」
「やっぱり向こうも日鳥くんの人気が・・・」
「危険だね」
「こうなったら修学旅行中は気をつけないと」
先生の言葉を聞いた女子生徒達は話し合いをしていた。小声で日鳥には何を言ってるかまでは聞こえなかった。
「ま、そういうことだから日鳥以外はグループ行動になるから覚えておけ。日鳥も個人での行動だが常識の範囲で行動しろ」
「はい」
こうして修学旅行が始まろうとしていた。
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「ただいまー」
「あ、お帰り陰にぃ」
「お、代祢《しろね》。帰ってたのか」
「うん!」
目の前で笑顔見せるのは俺の妹の日鳥代祢《ひとりしろね》。銀色の髪を腰まで伸ばしていて碧い瞳をしている。いわゆる銀髪碧眼美少女だ。
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俺のことを知らない?まだ紹介してなかったか。俺は
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え、もっと詳しく?仕方ない・・・黒髪黒目のいたって普通の容姿だ。以上。
「陰にぃはかっこいいよ!モテるし!」
「なんだ突然」
「いや、なんか言ったほうがいいかなって」
「それとモテてなんかいないぞ」
「えー、うそだー」
「今日も避けれたしな・・・」
「あー、どんまい陰にぃ」
代祢は頭を優しく撫でてくる。なぜか遠くを見ているが。
「しかも修学旅行1人で行動しろって言われたし・・・」
「え、なんで?」
「知らん。千実虹と話し合った結果らしい」
「あー・・・」
代祢が再び遠い目をした。
「なにか知ってるのか?」
「詳しくは知らないけど、大体予想はできるよ」
「教えてくれ!」
ガッと代祢の肩を掴んで顔を寄せる。
「ふぇっ!か、陰にぃ近い・・・」
その瞬間代祢が顔を赤くしてモジモジした。
「別にいいだろ、兄妹なんだし。それより理由を・・・」
「兄妹・・・そうだよね・・・」
なぜか一気に代祢のテンションが下がった。赤かった顔が今度は陰鬱な雰囲気になった。
「ど、どうしたんだ代祢?体調悪いのか?」
「っ!、陰にぃのバカー!!」
なぜか代祢は陰琉に背を向けて自分の部屋へと行ってしまった。
「?」
なにも分からない陰琉は首をかしげるしかなかった。
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部屋に戻った代祢はベッドな蹲っていた。
「う〜〜〜!なんであんなこと言うの」
確かに私たちは兄妹だ。でも義理だ。しかも陰にぃはかっこいい。本人は思っていないが。そんな人とひとつ屋根の下なら恋心の1つや2つ抱いてもおかしくはない。
「やっぱり陰にぃはわたしのこと妹としか見てないのかな・・・」
そう呟く。
「ううん。時間はいっぱいあるからゆっくり意識させていけばいいよね。まずは修学旅行で陰にぃと2人にならないと。確か陰にぃ1人で行動って言ってたから・・・」
こうして代祢は修学旅行の予定を組んで行く。
ちなみに代祢は千実虹学院の生徒であり、生徒会も務めている非常に優秀な生徒である。
修学旅行から帰ってきたら何故か美少女達に囲まれている!? ちぃびぃ @thibi
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