修学旅行から帰ってきたら何故か美少女達に囲まれている!?

ちぃびぃ

第1話 プロローグ

夏休みが終わり2学期が始まって間もないある日の教室は賑やかだった。

その賑やかな話題内容は夏休みの話題もあるが、主には修学旅行についての話しだった。


「修学旅行楽しみだな!」

「ああ!あと2週間ぐらいだろ?」

「正直夏休みより嬉しい」

「「それな!」」


男子生徒達が騒いでいるとその周りにいる女子生徒達が男子達に言った。


「男子うるさーい」

「楽しみなのは分かるけどね」

「それでもはしゃぎすぎ」


男子達がこんなにも浮かれているのには訳がある。それは


「だって隣の千実虹ちさねこう学院と合同だぜ!男子なら喜ぶだろ!」

「「そうだー、そうだー」」


千実虹学院。それはこの菫紫きんし学園の隣にある女子校の名前だ。なぜその学院の名前が出てくるのかというと


「せっかく合同で修学旅行に行けるんだぜ!実質合コンみたいなもんだろ!!」


男子生徒の1人が興奮して断言する。


「はあ。これだから男子は・・・」

「ここ共学なのにねー」

「夢見すぎじゃない?」

「私たちも男子校と行きたかった」

「「ねー」」


周りの女子生徒達は呆れていた。


この菫紫学園には特殊なシステムがある。それは学校の行事を隣の千実虹学院と合同でするというもの。

なぜこんなことを行うかというと、数十年前に校長同士が仲良くなったらしく、合同で行事をしたところ中々の反響があり、ずっと続いてる状態らしい。


「あ、ごめ・・・」


興奮していた男子が机に当たった。謝ろうと口を開いたが、当たったほうを見ると開いた口が閉じた。


「・・・ん」


その生徒が声を出した瞬間騒がしかった教室が静まった。ぶつかった男子生徒は興奮が収まったのか黙っている。なんなら顔が青ざめている。


「あ、えっと・・・」


男子生徒がしどろもどろになりながら言葉を詰まらせた。そこで女子生徒の1人が机にいた男子に声をかけた。


「ご、ごめんね日鳥ひとりくん。男子が」

「・・・別に・・・大丈夫」

「あ、ありがとうね。みんな!もう時間だし、早く席に戻りましょう!」


女子生徒が何故かお礼を言ってきた。その時ちょうど担任の先生が教室に入ってきた。


「時間だぞー。席に着けー」


その声を聞きながら日鳥と呼ばれた少年は机に顔を戻しながら思った。


(何故俺はみんなに避けられるんだ・・・)


━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━


一方解散した生徒達は席に戻って話していた。


(なんであいつの机にぶつかったんだよ)

(たまたまだよ)

(ほんとかー?)

(ほんとだよ!なんでわざわざあいつに絡まないといけないんだよ!)

((それはそうか))

(でも、良かったな。助けてもらって)

(それは、まあ)

(あとで礼しとけよ)



(よく日鳥くんに話せたね)

(勇気いるよねー)

(内心びくびくしてたよ!)

((それは当然よね))

(でも、あの眠たげな顔は可愛かったな)

(だよね!でもちょっと怖かったなー)

(でも、そこが良いんだよね)

((うんうん))


「うるさいぞー」


「「「「「「ごめんなさーい!」」」」」」




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