第20話 二年生の部

「ここが二年生の部の会場か」


「でかいわね」


 三年生の会場とかなり近い場所に二年生の会場はあった、あと一年生の会場より遥かに大きい。


「君達も見に来たのか!」


「郡城先輩!こんにちは」


 すぐ後ろにいたのに全然気づかなかった。


「良いタイミングできたな!ちょうど煌坂くんが戦う所だ!」


 気になる煌坂先輩はいつも明るい感じで戦っている姿が想像できないからな。


「煌坂くんは明るい人だが学園内屈指の実力者だ、見てるだけでもちょっとは勉強になるはずだ」


 郡城先輩がこんなにベタ褒めするなんて、そんなに強いのか煌坂先輩は。


「進次郎、始まるわよ!」


『それでは、個人戦 二年生の部 準々決勝、始め!』


「あれっ?進ちゃん達じゃん!やっほー!」


「ちょっ!前!前見てください!」


 煌坂先輩の相手は煌坂先輩がこっちに手を振っている間に攻めに来ていた。


「流石に舐めすぎ!」


 そして対戦相手は剣を切りつけようてした瞬間。


「ちょっとは話ぐらいさせてよ!」


 すると対戦相手の剣を突然現れた光輝く剣で受け止めた。


「えっ!郡城先輩!何ですかあの剣!」


「煌坂くんの異能は『光剣』光でできた剣を生み出して半径十メートルの範囲内でその剣を自由に操作でき、そしてその剣を十本まで出せる」


 強すぎる、使い方によっては防御にも応用できそうだな。


「じゃあその異能を瞬時に発動して攻撃を受け止めたって事ですか」


「ああ、だが煌坂くんの一番の強みは卓越した剣術にある、それだけで並の軍人を異能なしで倒せるぐらいにな、見てれば分かるさ」


 再度煌坂先輩の戦ってる姿を見る。


「後輩達に良いとこ見せなきゃ!」


 すると煌坂先輩は怒涛の攻めで相手の剣との激しいぶつかり合いで金属音がこっちにまで聞こえてくる。


「あの郡城先輩、何で煌坂先輩は光剣を何本も出さないんですか?」


「煌坂くんにも煌坂くんなりのルールがあるみたいだ、命の危険がある時以外は一本しか使わないらしい」


 確かに十分な実力だからできる事だな。


「これでお終い!」


 煌坂先輩はほんの一瞬、相手が油断した瞬間に喉仏に剣を突きつけた。


『個人戦 二年生の部 準々決勝、煌坂星璃の勝利』


 すると煌坂先輩が舞台を飛び降りてこっちに来た。


「見たでしょ!これが先輩の力だよ!」


 戦ってる姿はとても綺麗だったが、この姿は褒めて欲しい幼い子供みたいだな。


「凄かったです」


「そうでしょー!あれっ?燐ちゃんは」


「あれっ?」


 いつの間にか燐は姿を消していた。


「朱嶺くんなら三年生の会場に行ったよ、もう少ししたら会長の試合が始まるらしいからって」


「もう!せっかく私の勇敢な姿を見た感想を聞きたかったのに!」


 勇敢ではないだろ。


「進ちゃん!燐ちゃんを追いかけるよ!」


「えっ?ちょっと待っ!」


 そして煌坂先輩に強引に引っ張られて連れていかれる。


 やってる事ほぼ誘拐だろこれ!

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異能学園の特例一番は最強異能で全ての人を守り抜く 熊の蹄 @yuuyou8192

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