恋日記

神木駿

募る想い

 僕は恋に落ちた。こんな気持ちは小説風に書いていかないと心の中ではじけちゃう。想いが重く降り積もって、頭の中ぐちゃぐちゃになって眠りにつく直前まで君のことを考える。

 どうあがいたって実ることなんかないのに、君の行動で一喜一憂してしまう。不意に見せる笑顔も、僕の名前を呼ぶ優しい声もすべてが特別なものなんかじゃない。君にとっては普通のことなんだ。その笑顔も、優しく呼ぶ声も僕じゃない誰かにも同じものを向ける。それが全部僕だけの特別になればいい。そう思うけれど、なるはずがない。だってそれをみんなに向ける君を好きになったんだから。それに君にはもう特別がいる。その人には僕の知らない特別があるんだろうな。僕が知らない君をその人は知っているんだろう。あぁ、苦しいな。君の特別になりたい。僕の特別は君だけど、君の特別は僕じゃない。この一方的な気持ちを抑え込もうとすればするほどに苦しなって外に出したくなってしまう。 

 結局は君に想いを伝えない限り、抑え込んでいる想いは降り積もる。降り積もる想いはどんどん溜まっていく。来るはずのないLINE。向けられることのない特別な君。期待なんかしてないはずなのに心のどこかで期待する自分がいる。ありえない、ありえない、ありえない。来ない、こない、来るはずない。そう言い聞かせるのに希望をずっと消しきれない。君の優しさに甘えてしまっている。君が優しいからと言い訳をして君が好きだって感情を消しきれない。僕の気持ちは君なら受け止めてくれる。そう思ってしまう。伝えることが罪だとは思わない。けれど、背負うのは相手だ。降り積もった気持ちすべてはきっと伝わらない。それでも僕が伝えてしまえば相手はその分の気持ちを背負うことになる。そう、だからこの想いに重さを感じるのは僕だけでいい。結局、僕ができるのは君への想いを隠し通すことだけ。君が幸せでいるために僕の想いは無かったものに。

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恋日記 神木駿 @kamikishun05

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