それぞれの道
「陽菜さん、元気にしてるかな」
春人の部屋に集まって二人それぞれの時間を過ごす中、優香は突然に呟いた。
もちろんまだ隣の部屋に住んでいるというだけあってたまに顔を合わせる。しかし、長い間話をするような機会はなく、詳しい状況はよくわからない。
「今度、話したいよね」
春人も優香も、陽菜を心配する気持ちは同じだった。
「まあなんとかやってるよ。中途採用だから風当たりは新卒より強いけどね」
二年空いただけでこの有様、日本の現代社会というのは残酷なものだ。
しかし、なんとかやっているという陽菜の言葉で、春人と優香はひとまず胸を撫でおろす。
「あれ、春人くんと優香ちゃんは今年高校三年だよね。進路決まってるの?」
「わたしはそんなに頭がよくないから、地元の国立を受けようと思ってます」
「いやいや、そこもめっちゃ頭いいじゃん」
そう言う陽菜の大学は、地元の国立より幾段か評価が高い。
「僕は、どうせなら一番を目指したいなと」
「へえ、優香ちゃんと同じ大学に行くわけじゃないんだね。って、一番ってことは……?」
春人が具体的に大学の名前を挙げる。
「え、すご」
「受けるだけなら誰にでもできますよ」
謙遜する春人を、優香は少しだけ寂しげに見守る。
巨乳幼馴染とえちえちお姉さんが僕を取り合っているらしい ナナシリア @nanasi20090127
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