第1話⑥
「後、5分だな……もう一度だ!!身体、強化!!!」
俺はこのままでは倒せないと思い、もう一度身体強化を使う。
これでさらにパワーアップするも、活動時間は半分以上は減ってしまった。
「これじゃ、何分て言うか、後1発だな……」
俺は自分の肉体の限界が来ていることに気づいた。
さっきまではアドレナリンなのか、痛みもそれ程感じなかったのだが、一度立ち止まったからか、痛みを感じる様になった。
それでもまだ動けるのは、「心がまだ折れていなかった」からだと思う。
「まだ生きていたのか、素晴らしい
さあ
さっきよりも足の力が入る。
地面が割れるどころか、地面を揺るがす程の足の力、それを爆発的に発射、
(……当たらない!)
俺は拳を振りそうになったが、何とか止めた。
間違いなく、魔力を込めた拳の一撃はもう多くは打てない。
それにマドリックも気付いているのだろう。
「そうか、お前ももう限界が近いのか
良いだろう、これで終わりだ!」
マドリックは緩急で氷の魔法を放って来た。
俺は突然の変化にも何故か冷静でいられた。
左手で地面を殴り壁を作り、氷と相殺、そして突進する、しかし、これでは倒せないと読めていたのか、すぐに、マドリックも炎の魔法で応戦するも、
「身体強化の俺に炎は効かねえよお!!」
そのまま俺は突っ走る。
さっきの瞬間移動の様な移動では無くダッシュでの移動。
そして、マドリックも一歩も引けない。
ついに正面衝突、正真正銘最後の戦い────
「これで、終わりだ!!!」
今までの全てをこの右の拳に乗せてマドリックを殴った。
殴った後とは思えない音が荒野に木霊する。
まだ生きていた、真下に爆発魔法を放って動かなかったのを吹っ飛ばす事で動かした。
「うおおおおあっ!!」
俺は最後のほんの少しの力を残していた。
まだ右手が機能する。足もまだ動く、マドリックは爆風で空に飛んでいるから身動きは取れない!
俺も飛び上がる。
そして、マドリックを思いっきり地面に叩き落とした。
俺は地面に落下する。
全ての力を使い果たした俺は体全体動かない。
しかし、マドリックも遂に魔力を使い果たしたのか、攻撃を撃つことが出来ないみたいだ。
「この俺が下界の奴に負けるとはな、ましてや田舎の冒険者でも無い者にな……」
「どうして、村を燃やした、俺達は何もしていなかっただろ」
俺は最後にどうしても聞きたい事があった。
異世界人と俺は恐らく分かり合えない、それでも何か人なのだから少しは分かる事もあるのかもしれない。
「たまたまだ、反乱軍が逃げて俺達が追った先にお前達の村があったそれだけだ」
「なぜ、燃やしたんだ」
「すまなかったよ、1つ村が消えたくらいどうって事無いって思ってた
お前みたいに悲しむ人がいるって言うのに……」
「そうか、やっぱりお前達、異世界人と俺達人間は一生分かり合えない存在何だろうな、これからも争いは続くんだろうな
だからこそ俺がその戦いを終わらせる」
「何を言ってるんだ」
「分かるだろ、俺がアンダーマインになってやる」
「ふっ、おもしろい」
その言葉を聞いて、何故か笑顔でマドリックは死んだ。
再び、ヤマと出会った。
今回は三途の川では無く、幻だった。
こっちの世界にヤマが来ている。
俺は何かを求める様に、ヤマに尋ねる。
「俺、これで良かったんだよな」
「さあな、ここからは先は誰も分からない未来の話だ
でも、少し分かる気がする……
お前なら何とかなる……ってな」
それだけ言ってヤマの幻は消えていった。
異世界人チート無双!!! みかみかのみかん @m_use
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます