第5話
その赤い宝玉を押すと、翔太の体はまばゆい光に包まれた。
次に、魔徒が目を開けたときそこには、赤い竜のような装甲を身に纏った翔太がいた。
「うおー!なんだこれ力がすげーわいてくる気がするぜ!!」
「そうだろうな、これが魔徒の力だ。さあ、早くやつを倒すぞ!」
おう!と力強く返事をし、向かってくる魔徒に向かいうつ態勢となった。
ブリャァァアアア!
魔徒が体当たりしてきて、すこし体が浮かんだ。
「いっでええな!これでも喰らえッ!」
魔徒の鼻を思いっきり蹴ってみるとかなり効いたようでかなりひるんだ。
「おい、人魂ァ!こいつ、鼻が弱点みてぇだぜ!」
「翔太!また思いっきり、ぶっ放してやれ!」
右腕に力を籠めると、体の筋肉を使っているときのように芯からどんどん熱くなってくるように感じた。
思いっきり助走をつけ、天高くジャンプし、魔徒の鼻を思いっきり殴った。
「ドォオオリャァアアアアアアッ!!」
水風船がはじけた時のように魔徒の体が吹き飛び、中から金髪のリーゼントが現れた。
そして、魔徒の体から飛び散った赤い真珠のような球が砕け散った。
翔太は夜も遅くなったので、もう帰ることにした。
倒れて気を失ったリーゼントを駅の近くのベンチに寝かし、しばらく歩いているとふと、あの人魂のことが頭によぎった。
「あれ?あの人魂、どこ行きやがったんだ?」
そんな疑問を思わず口にしたとき、また人魂の声が聞こえた。
その声の方には電柱があり、その陰から美しい金髪の深紅の目を持った顔立ちの整った青年が現れた。
街灯がスポットライトのように青年を照らし、まるで演劇の主役のような印象を受けた。
「よお、翔太。」
「その声……てめぇ人魂かよ!?」
少し、青年は笑みを浮かべながら立っていた。
「これからは人魂じゃなく、ウィンと呼べ。」
「ウィ……ウィン?」
「ああ、俺の名だ。」
少しキザな格好をしたが不思議なことに、あまりイタく感じなかった。
「おっと……そうだなお前の質問にしっかりと答えないとな」
思い出したように語り始めた。
「まず、さっきも少し答えたが最初の質問と答えだ。今この世界はオーマと言う奴らに破壊されようとしている。俺もオーマだが、奴らのしようとしていることに反対だ。だから、俺と世界を守るぞ。」
「はあ……なんとなく分かったよ……で、2つ目の質問の答えは?」
「なぜお前を選んだのかという事だな。それは、オーマと契約する人間には相性があって、それによって、魔徒の強さが決まる。そして、俺とお前の相性は奇跡的に良い。だから最強の魔徒になると思ってなしばらく観察して面白いやつだと思い、選んだんだ。」
「なるほどな……わかった、お前に協力するよ、ウィン。」
ウィンは不敵な笑みを浮かべた。
「こっちこそよろしくな、翔太。」
トライアンフ! アヒージョ @ahijo_NEO
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