第4話
人魂と翔太がたどり着いた先は、学校に一番近い三下駅という場所だった。
この辺りは街灯もあまりなく、ヤンキーたちのたまり場となっていることで地域住民の間では有名な場所だった。
「おい、人魂あのでっけえ牛みてえなバケモンはなんなんだよ!」
そこには巨大な白色の赤い目をした牛のような怪物が暴れていた。
「やつはオーマと契約した人間……魔徒だ」
「オ、オーマ?なんなんだよそれ!?」
「オーマはこの世界から来たお前たち人間とは異なる存在だ。奴らはこの世界を破壊しようとしている。これが1つ目の質問の答えだ。」
人魂は翔太の質問に淡々と答えた。
翔太はその答えを聞き終わる前に魔徒へと走り出していたそして、ひと蹴り食らわせると少しひるんだ。
そして魔徒の近くには駅の前にたむろしていたヤンキーたちが襲われないように物陰に隠れていた。
その中には翔太と同じクラスのあのヤンキーもいた。
「み、宮田?」
「何やってんだ早く逃げろ!」
ヤンキーたちはおびえながら翔太に言った。
「なあ、宮田あの怪物はオレらの先輩なんだ。なあ、なんであんな姿になっちまったんだよ……」
翔太の裾を掴んでいたその手は恐怖で震えていた。
「さあな、それはしらねえ。だが、ここはオレが何とかする。だから早く逃げろ!」
その言葉を聞き、少し安心したような顔を浮かべたヤンキーたちは逃げ出した。
その一幕を見ていた人魂は、翔太になぜ彼らを助けたのかと問いかけた。
「大事な言葉を思い出したんだよ」
「大事な言葉……?」
「ああ、オレの父さんが自分の信じた正義は貫けってな。それで、さっきはあいつらを助けることがオレの正義だと思ったんだよ。」
その言葉を聞いた人魂は翔太にある提案をした。
「おい、翔太、俺と契約しろ、力をやる」
はあ!?と思わず叫んでしまった。
「このままじゃあ、お前は死ぬ。だが、俺と契約し、あの魔徒のように強大な力を得ることが出来る。」
「じゃあ、あいつと同じ怪物になるってことかよ?」
「だが、死ぬよりはましだろ……?」
「ああ、わかった。契約する!」
その瞬間、翔太の腕には強い光とともに竜の造形がされ、真ん中には赤い宝玉のある腕時計の様なものがまかれていた。
「その真ん中の赤い奴を押せ!」
人魂が叫んだ。
魔徒が翔太たちに向かって走ってきていた。
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