第3話 猫に九生あり
そして、ついに指定された日の逢魔が時。
帰り道、『まさかね』と思いながら空を見上げると不審な光が近づいてきていた。
「うそ~~~~っ」
とりあえず、神社まで走る。
(こっち!早く!)頭の中で声がする。
目の前のいつも閉じている祠が開き、シロが手招きしている。
そして、光が私に届く危機一髪のタイミングでシロが光に飛び込んでいった。
刹那、私の姿に変身するシロ。
そして、遠ざかる光。
(私は、大丈夫。猫に九生あり。知ってるでしょ。必ず戻るから)という声を残しシロは消えた。
あれから、毎日欠かさず、神社に参っている。
シロの姿は無いけれど。
あの子は最後に変身して言葉を話していた。
普通の猫じゃないよね。
もしかして九生目だったんじゃないかしら。
最後の命を私の為に使ってくれたんだとしたら、もう戻ってこられないんじゃないかな……。
そんな不安が募りに募りまくったある日。
祠の前に段ボールが置かれていた。
中には、真っ白な子猫。
「シロなの?」と、話しかけてみる。
私の頭の中に(ただいま。奇跡の十生目を迎えました)という声が響いた。
不審な光の正体は?シロは、なぜ帰って来られたのか。
それは、また、別のお話。
ー完ー
危機ボーボー 姑兎 -koto- @ko-todo
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