第2話 某惑星の内緒話

「帝王様は、なんでまた、あんな小娘を選んだんだろう」

「昔の想い人に似てるらしいぜ」

「いや、想い人を生贄にするって……」

「フラれた?」

「そんなことで?」

「だって、帝王様だぜ」

「そっか、帝王様だからね」

「それにしても、これは、阻止しなきゃな」

「救世主っていっても実際は生贄だからね」

「そういう意味じゃなく。生贄を差し出した家は出世を保証されるだろ。なのに出世なんて関係ない辺境の星の小娘が選ばれたんじゃ意味ないってこと」

「うん」

「こっちで用意したにえを何としても差し出さねば」

「うん」

「いっそ、召される前に小娘をちゃう?」

「うん?」

「不慮の事故ならば、諦めざるをえないからな」

「……」


しかし、この企みは、何らかの妨害のせいで、ことごとく失敗したのであった。

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