主人公はなぜ戦わされるのか

御剣ひかる

なぜヒロインはさらわれるのか

 「短編賞創作フェス」のお題で「スタート」と出た。

 あれこれと小説を考えてみたがどれもわたしの中で今一つぱっとしない。あまり書きたい欲がそそられないのだ。


 しかし欲深いわたしはカクヨムグッズほしさに皆勤賞を狙いたい。

 ということで「小説を書き始めたきっかけ」を書いてみることにした。

 考えてみればエッセイで短編賞に参加するのは初めてではないかな。


 と、前置きはここまでにして。


 わたしが小説を書き始めたのは高校に入学した春だ。

 実は中学三年生の三学期に創作に目覚めていたが、マンガだった。

 だがわたしの画力では自分の書きたいものを表現できないな、ということで小説に転向した。(しばらくはマンガと並行していた)

 画力が足りないから文章で、とは、ずいぶん文章作成をナメた理由だと今になって思う。

 そこは高校一年生のお子様が考えることなので、と苦笑して流しておこう。


 肝心のきっかけは、ゲームだ。

 当時ファミリーコンピューター、通称ファミコンが爆売れしていた時で、いろいろなソフトが出ていた。


 そしてアクションゲームをはじめとするゲームではたいてい「ヒロインが悪の手にさらわれたので助けに行く」という設定だった。


 純粋にゲームを楽しんでいたが、ふと疑問に思った。

 どうしてヒロインをわざわざさらうのか、と。

 主人公をやっつけたいなら直接やればいいじゃないーい?

 なのにどうして主人公の恋人(の設定が多い)を誘拐するのか。


 友人とあれこれ話し合った。


・実は身代金目的である

 主人公は身代金を運んでいる。大金だと重いので宝石とかを身に着けている。


・主人公自身を組織にほしい

 悪の組織は強いヤツを欲しがるから。試練を与えクリアすればめでたく組織に勧誘。


・すんごい嫌がらせ

 ただ殺すだけじゃつまらないから。主人公に恨みを持っているヤツが首謀者。


 この三つがまだ説得力があるな、ということになった。


 そこで、2番目の「悪の組織が主人公の恋人を誘拐し、主人公を組織に引き入れようとしている」という考えを元に書いたのが処女作、「Endless Fight」というアクション作品だった。


 当時はパソコンが家にあるという家庭は少なく、大学ノートに書き連ねた。

 いっちょまえに中表紙と簡単な登場人物紹介、真ん中と最後にも挿絵なんか書いたりして、友達に読んでもらっていた。


 実に七年かけて大学ノート17冊に及ぶ物語を完成させた時、わたしは社会人だった……。

 処女作からして超長編にして長期連載をしていた。


 残念ながらそのノート達は引っ越す際に処分してしまったのでもうこの世にない。

 だが処女作の流れを受け継いだ小説はここカクヨムにも載せてある。

 いわゆるオマージュ的な作品だ。


 超長編なので、好みがあい時間があれば読んでいただければとても嬉しい。


「摩天楼の翳」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882174206


 古い作品のうえ、他に★をたくさんいただいている作品もあるのに代表作に据えているのはこういう経緯があるからだ。


 ……あ、でも「摩天楼の翳」の主人公は悪の組織に欲されてないな。肝心な設定が違う(笑)。


 最後に宣伝もしつつ、今回のエッセイはこれにておしまい。



(了)

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主人公はなぜ戦わされるのか 御剣ひかる @miturugihikaru

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