第3話 部活

普通の男子高校生、霧島ケントは夜の公園でブランコに乗っていた。

小さいころに一緒に遊んでいた女の子の帰りを信じて・・・

ケント「あほらし」

そう言ってブランコから降りると一人の女の子と目が合った。

今日ケントのクラスに転校してきた田中亜美だった。

ケント「ん?田中さんか、なにしとるん?」

そう尋ねると亜美は微笑みながらケントに言った。

亜美「ちょっと夜風に当たりにね。ケント君は?」

ケント「ちょっと腹減ってコンビニまでな」

そういうとケントは立ち上がった。

ケント「じゃあまた明日学校でな。」

ケントが去っていく後姿を見て亜美は胸がちくりとした。

~次の日~

朝学校につくと今日も亜美の周りには人だかりができていた。

亜美「今日も話せないかな。」

そう思っているうちに放課後になった。

いつもケントが放課後にどこに居つているのかついて行ってみることにした。

気づかれないようにそーっとついていくと一つの部室にたどり着いた。

そこにはとても古い看板で「バイク部」

と書かれていた。

恐る恐る中を覗こうとすると扉が古くなっていたためか「ギィィ」といった音が部屋の中に響いてしまった。

亜美「あ、あのぅ」

亜美が恐る恐る入るとそこにはケントと二人の男女がいた。

ケント「あれ、なんで田中さんここに?」

そうすると中にいた女子が嬉しそうに「新入部員!?」と飛びついてきた。

ケント「いや、ちゃうやろ。道にでも迷ったん?」

そう聞かれて亜美はとっさに「新入部員です!」と言ってしまった。

バイク部の女子「ほら!そうやん!ほな入部届書いて!!あ、うちは霧島千雨!こっちは幼馴染の芝浦りょう!」

りょう「よろしく~ケントと一緒やったら一個上やけど敬語とかいらんからな~気楽にりょうって呼んで~」

亜美は自己紹介されると疑問に思った。

亜美「あれ、霧島って・・・」

ケント「ああ、うちの姉。やかましいけど悪い奴やないで」

そう言われて亜美は思い出した。ケントに姉がいたことを。

千雨「そや、亜美ちゃん免許もっとる?あとバイクと!」

千雨に言われて気づいた。そうだここはバイク部だ。

亜美「バイク部って何をやるんですか?」

ケント「普通にバイクに乗ってツーリングするだけやな。」

なるほどと思い納得したのもつかの間、亜美は焦っていた。

亜美「どうしよう!バイクも免許も持ってない!しかもお金もない・・・」

そう思っているとりょうが声をかけてきた。

りょう「もしどっちも持ってないんやったら先にとったほうがええな。うちの親が経営しとる教習所があってそこなら免許にかかる費用なんもかからんで。

そう言われてパンフレットをもらった。

亜美「一回親と相談してみます!ありがとうございます!」

そういうとりょうは照れ臭そうに笑った。


つづく

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関西に引っ越してきた隣の彼女は元お嬢様の貧乏人でした。 いなかのひと @inakannohito

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