結局はSmile of Dreamerってことで

横山記央(きおう)

結局はSmile of Dreamerってことで

 言葉は面白い。

 同じ言葉でも、人によってそこから連想するものが変わるからだ。


 同音異義語は、その分かりやすい例だろう。

「くも」なら「雲」や「蜘蛛」。「はし」なら「箸」や「橋」や「端」になるだろう。

 連想するだけなら、陸上の関係者は「走る」の「はし」を思い浮かべるかもしれない。


 同音異義語でなくても、一つの言葉が複数のイメージを与えることもある。

 試しに「りんご」を想像してみてほしい。

 一番多く想像されるのは、赤いりんごだと思う。

 でも、りんごが好きな人なら、その赤いりんごが、「ふじ」になったり「つがる」になったり「ジョナゴールド」になる気がする。

 あるいは「王林」などの青りんごを想い描く可能性もある。


 その人の経験や興味によって、同じ言葉が違う意味になったり、異なる物を指し示す。

 私はそこに面白いさを感じる。


 同じように言葉に面白味を感じる人は多いと思う。掛けことばやダジャレといった言葉遊びがあるのは、その証拠ではないだろうか。

 また、NHKで放送されていた連想ゲームは、言葉の持つ面白味に回答者のキャラクター性が加わって、人気を博したのだと思っている。


 そこで、今回のお題である「スタート」だ。

 この言葉から連想するものも、多岐にわたるはずだ。

 きっと想像もつかない多様な「スタート」が執筆されるにちがいない。


 私自身のことで言うなら、スタートから連想するものは、年代によって変わってくる。

 子供の頃なら、運動会や50メートル走になっていただろう。

 今は違うが、二十歳の頃から一昨年までなら、JUN SKY WALKER(S)の「START」だった。


 ためしに妻にも聞いてみたとろ、返ってきた答えは、私が真っ先に思い付いたものと一緒だったし、娘に聞いてみても、同じ答えだった。


 それはMrs. GREEN APPLEの「StaRt」。


 一昨年から、娘に影響されて、妻も私もすっかりファンになってしまった。そのため我が家で流れている音楽はMrs. GREEN APPLEばかり。今年の幕開けでは、テレビで歌っていたのだから、これ以外の答えが出てこないのも当たり前だ。


 思い浮かべた答えが、家族で同じというのは嬉しいのだが、それだけで終わるのは、面白味が足りない気がする。


 何か私だけの「スタート」がないものかとあれこれ連想してみる。酸いも甘いもというか、苦い苦いことの多かった経験を生かすことができれば良いのだが、なかなか思い浮かばない。


 その結果、この過程を書けば良いのではと、できあがったのがこのエッセイ。


 エッセイより、エタってる小説を何とかする方が先のような気もする。もっとも、私は逃げっぱなしのキレイじゃない大人なので、こんなもんさ、くらいでいいのかもしれない。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

結局はSmile of Dreamerってことで 横山記央(きおう) @noneji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ