優奈:エピローグ
『あの日』からどのくらいの時間が経っただろう。
小学校の校庭で、私は目の前の、何も面白くもない、顔剥ぎを何度も何度も見ている。とはいえ、今後も許すつもりはないが。
ただどうしても気になることがあり、心が落ち着かない。私は小学校の校門のほうへ向かった。
「どこ行くの?」
幼少の頃のあたしが、後ろから私を引き止めた。
「そっちは夢の世界。あなたはあたしになって、ずっと一緒にこの世界にいるの。あなたはここにいるべきなのよ」
「……やりたいことが最後にできたの」
「ふーん。そんなに大切な人なの?」
「……さぁ? ただ、少し迷惑かけたから」
「……。まぁ、それならさっさとしなさい。あなたはもうあたしと一つになろうとしている。そんなに時間はないから」
私の手が少し透明になりつつある。私が消える。不思議と、その恐怖はない。小さいあたしが言ったように、私はあたしと一つになるだけだから。
私は校門を出て、夢の世界のあの場所へ向かった。
「……このあたしがそんなに他人を思うことがあるなんて。本より興味があるわ」
夢の終わり @moffu
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