第52話 ティティルVSツルギ
「っ!」
ティティルは切り替え、空中の中で、矢を2本装填
体を回転し、下にいる中華姉妹に狙いを定める
「しまっ、がぁ!」
「リっ、うぐっ!」
矢を放つ隙さえあればどこでも狙える、毒が付与された矢を2本、二人の首に放つ
二人はすぐに矢を抜こうとするも、返しがついてるせいで時間がかかり、HPが削られていく
今イベントはいろんなアイテムを持ちだすことは可能だが、現状このゲームで敵モンスターやボスに毒を付与するタイプの相手が少なく、毒消しもそこまで流行しておらず、
当然この二人やほとんどの敵プレイヤーも持っていない
後日調べたところ、このイベント用アイテムに状態異常無効アイテムもあるにはあるが、皆見つけることができなかったらしい
「ここまでか………」
「またいつかリベンジ………」
二人は粒子になり脱落する
「まずは2人!」
地面に着地すると、素早く矢を装填、3つの矢をツルギに向けて射出する
中華姉妹が相手している間は近づかない様にしてたため矢を放つ暇がなかったが、余裕ができた今は簡単に矢を放つことができる
矢は正確に、ツルギの頭、胸、太ももに向かっていく
「ふむ…ここまで正確に、ですが!」
遅いわけではない矢を簡単にジャストガードで弾く
「すごっ!!」
「私は音ゲーをやりこんでましてね、動体視力と瞬発力がすこし鍛えられてるんですよ」
素直に驚愕し、称賛したティティル
ツルギは音ゲーで鍛えたというが、この世界の凄腕音ゲープレイヤーでもこんなことはできない
そのそもツルギは最強Vゲーマー八皇の中でも音ゲー最強、その動体視力と瞬発力をVRMMOに応用し「戦闘って音ゲーの延長なんですよ」という迷言?を残すほどの猛者というなの変態(いい意味で)である
そんなツルギを相手にティティルの矢は正確過ぎるせいで逆に相性が悪い
少しのフェイントも放つが何度もティティルの矢を弾く、音ゲーの流れてくるノーツをタップするように正確にジャストガードをする
「なあ、この状況、どうすりゃいいんだ?」
「死んでも何もなかったら特攻してもいいんだが、俺たちが勝手に動いてティティルちゃんにポイント渡すようなことはしちゃいけないし」
「ティティルちゃんがいきなりツルギに攻撃したのって、指令塔の役割を潰すため?」
「ツルギの応援に」
「いくべきか、見るだけでいいのか」
「とりあえずツルギにバフ張れ!」
ほかプレイヤーはどうするか考えていた
死んだらティティルのポイントになる以上、無駄な特攻はできない
ツルギの自警団もツルギワンマンであったため、下手に介入できない
「っ!中華姉妹がすこしは削ってくれた!!このまま第2陣は突撃してください!」
「ここまで逃げられたらおしまいです、フレンドリーファイアは気にしないでティティルさんのみに集中してください!」
ツルギはその状況を良しとせず、素早く指示を出す
待ってましたとばかりに第2陣は前進する
第2陣は中華姉妹が削れることを想定して大人数で攻める
実際ティティルの体力を削ることは出来てるため第2陣は好機と考え、自分がティティルを倒すんだと突撃する
「せめて1ダメージでも!!」
「掠りさえすればこっちの勝ちだ!!」
「フレンドリーファイアはもう気にするな!!」
「無差別でもいい、遠距離部隊も攻めまくれ!!」
最初に接敵したプレイヤーは周りを気にせずにスキルを使用する
遠距離部隊はファイアーボールのような消費魔力の少ない魔法を使用し、ティティルに当てることを優先して放つ
「っ!」
ティティルは最初は大きく回避するが、だんだん範囲が狭まっていく
『ティティルちゃん!!』
『まずい!!』
『瞬間移動のスキルは?』
『まだリキャストタイムが足りない!!』
『いや!まだいける!』
『ティティルちゃん頑張れ!!』
『終わった』
『ツルギ相手だしなぁ』
『何諦めてんだてめぇ!?』
『いや、この状況でどうにかなるわけないじゃん!』
『あのティティルちゃんだぞ!』
『このゲームってHPは回復しても肉体の疲労はまあまあ残るからなぁ』
『中華姉妹からの回避に相当消耗しただろうし』
コメント欄は応援するもの、諦めるもの、少し荒れるものと混沌としてきた
数えきれない数のプレイヤー相手にこれまで無双してきたティティルでも無理だと思うのは当然である
「っ、一気に数が多く、それなら!【隠m」
「「「【陽光白日】」」」
「っえ!?」
大人数になったため、逆にティティルはこれを利用しようと考え、人込みに隠密で隠れて逃げる算段だったが
気配を隠してるものを白日の下にさらすスキル、【陽光白日】で隠密を無効化、逆に目立ってしまう
「対策してて正解だった!」
「本来なら強制的にヘイトをその対象に固定になるけど、今回に限って言えばノーデメリット!」
「後はさらに追い込むだけだ!!」
「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」
『まずいまずいまずい!』
『誰か助けてくれるやつとかいない?』
『いるわけないだろ!』
『ワンチャンティティルちゃんなら神業で!』
『いやいやいや!ノーダメージでここまでよくやったよ!?しゃあないよ、ツルギ相手なんだから!』
【陽光白日】のデメリット、制的にヘイトをその対象に固定になる、つまりフレンドリーファイアの確率を減らす、今の状況に嚙み合っている
「ファーストアタックは俺がもらったぁぁぁ!!!」
「撃て撃て撃て~~!!!」
「あ~~、やばいね、まじで」
その表情にはいつもの余裕はなさそうで、ぼそっと溢す
流石に周りに木もなく周りが敵ばかりのこの状況は絶体絶命な危機的状況だった
例え瞬間移動したといってもこの囲われた範囲内にしかできない、気配を消せないなら人込みに隠れられず飲み込まれてしまう
全体攻撃スキルを使用したとしても目と鼻の先にいるプレイヤー達に有効かわからないし、初めに対策されてたのを思い出しすこし絶望する
『ノーダメージはだめかもだけどここまで来たら』
『いや、相手は徹底的に潰すつもりだ』
『ティティルちゃん逃げて!!!』
『まずいまずいまずい!』
『無双もここまでか』
もうだめか
コメントや俺はもうほとんど諦めていた
「【オールヘイト】【ウォールシールド】!!」
「………………え?」
「…おや、これは……?」
「「「「「「はぁぁ!?」」」」」」
ティティルは純粋に驚き、ツルギも少し予想外そうに反応し、一斉攻撃したプレイヤーは大きく驚愕した
攻撃が当たる直前、上から謎の人物が盾を構えながらティティルの前に着地し、
放たれた攻撃が謎の人物に吸い込まれ、無効化された
「な、なにが!?」
「ほう」
「これは、それにあのマーク?」
自分はディシアは訳が分からなず呆け、ガガルは何かに気づいたようだ
「【咆哮円陣】!」
「ぐぅ!」「なんだあいつ!?」「盾使い、でも誰だ?」「っていうかあいつ!?」「何でここにいやがる!?」「参加してたのかよ!?」
謎のプレイヤーが放つ盾使い専用スキル【咆哮円陣】により、使用者から一定範囲外に敵を離すスキル、ダメージが入らないが仕切り直す為にパーティの盾使いに重宝される
スキルレベルによって範囲は広がり、今回は広い範囲に吹き飛ばしたため、レベルが高いことが窺える
『助かった?』
『誰だ?』
『よかった~~~~~』
『え?』
『まさかこいつ』
『こいつがこっちにつくのかよwww』
『この日と参加してたの!?しないと思ってた』
『え、知ってる人?』
『誰?有名人?』
『ある意味有名人』
プレイヤーからもコメントからも謎の人物を知ってる人がちらほら現れる
「あ、ありがとう!!助かったよ!!」
ティティルは助けに感謝する、正直ここまでかとティティルも思っていたのか、それともなにか策があったのかもしれないが、純粋な感情で助けに感謝していた
「あ、そういえばあなたは一体?」
謎の人物はティティルのほうに振り返り、紳士の所作を行う
「初めましてティティルさん、私はライアン、掲示板では【王城凸のライアン】なんて呼ばれてるものです、以後よろしく」
礼儀正しく?その正体を明かす
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