第51話 ティティルVS中華姉妹
「あたぁ!」
「はぁ!」
「っ!」
近距離からの攻撃に何とか回避するティティル
「よく避ける」
「基本の身体能力がずば抜けてる」
「「でもいつまでも続くとは思わないことね!!」」
中華姉妹はスキルを使わず、リアルで鍛えた拳法による攻撃を行う
MPを消費しないこともあるが、体が慣れ親しんだ拳法のほうが確実に相手を追い詰めることが可能であると考えてのこと
「ほあたぁ!!」
「っ!【弓当て】!」
「リン!」
「ん!」
ティティルはリンが近づいたタイミングで唯一持っている近距離スキルの【弓当て】を使用する
がっ、リンに攻撃が来そうになったタイミングでランがリンの腕を引っ張り、回避する
2人の動きは中華拳法の動きに加え、サーカスレベルの2人のコンビネーションで相手を翻弄する
ティティルも回避しつつどちらかを攻撃するように動くももう片方に回避させられ、場合によっては攻撃しようとする瞬間にもう片方から攻撃が飛んでくるため回避に集中せざる負えない
「ここまで無傷なのは素直に称賛する」
「2人揃った私たちの動きについてこれたのはたぶんあなたが初めて」
とはいっても、ティティルも狙撃王であり、いくつもの獲物と視線を潜ってきた存在、自前の危機察知能力で難なく交わす
「なんていうか、二人そろった踊りみたいで綺麗」
『そんなこと言ってる場合じゃないよ!』
『案外余裕?』
『まあわかるけど』
『舞踊って意味なら確かに』
「ありがとう、素直に嬉しい」
「でももうそんな感想を言う余裕がなくなる」
2人は手を掴み、独楽のように回転する
遠心力も相まって先ほどより素早い動きで攻撃する
「っ、やばい!」
ティティルは少し距離を取ろうと動くが、逃がさないように距離を縮める
回転の力を利用した横一線の攻撃に加え、一瞬で回転を止め、点の一撃を放つ攻撃になかなか対応できないティティル
ティティルもさすがにここまでの近距離戦は難しい
『マジでやばい!』
『ガチ拳法家に近距離でよくここまで回避できたよ』
『ティティル頑張れ!』
『どうする?』
「ほんと、こんな近距離は苦手なんだけど」
「だから私たちが先陣」
「このまま無傷逃げなんてさせない!」
「ん~~~、どうするべきか!」
ティティルは回避しながら少し悩み
「っ!行くよ!」
「やっと攻めに来た!」
「返り討ちだよ!」
ティティルは二人に向かって駆けだす
「はぁ!」
「てやぁ!」
二人の拳に対し、ティティルは
「「え!?」」
その拳は空を切る
ティティルはその身体能力で跳躍を行い、回避
「ぐっ!」
「あぶっ!」
二人の頭を足場にし、さらに高く飛び
「【遠射】!」
弓を構え、矢を向ける
「まさか!」
「しまった!」
「っ!こっちにか!」
観戦していたツルギに向けて
「っ!」
ティティルは油断しているだろうティティル戦線の頭であるツルギを先に狙うことにした
ツルギを倒せば今の陣形が少しは崩れるだろうと考えた
少しは距離の離れたツルギに向けて、毒付きの矢を放つ
ほかのプレイヤーも想像もできなかった動きに理解できずに動けなかった
「舐めてもらっては困ります!」
「え?」
確かに矢はツルギのこめかみに向けて正確に放たれた
普通の相手なら成すすべなく矢を食らい、毒によるダメージで倒れていただろう
「これでも一応最強Vゲーマー八皇ですからね、そう簡単にはやられませんよ、それに」
ツルギの手にはレアリティの高そうなショートソード、先ほどまでは構えずに鞘に納まっていたのになぜかその手にあった
どうやって生き残ったのか、それは
「誰がディシア様にジャストガードを指南したと思ってるんです?」
「そうじゃ!あの時ジャストガードを教えてくれた視聴者のコメントに似てたんじゃ!」
「えぇぇっ!!?」
「まじで!?あの人がツルギさんだったの!?」
ディシアと俺、正弥は驚きを隠せずにいた
それと同時に絶望した
遠距離攻撃はジャストガード相手に相性が悪い、どんなに強い一撃でもジャストガードで受け流されれば意味がないからだ
「ティティル………」
そう考えつつ、ただその戦いを見るしかなかった
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