第50話 ティティルちゃんピンチ
「っしゃぁぁ!!」
「1ダメージでも与えれたら英雄だぁぁぁ!!」
「逃げ場をなくせ!」
突撃するプレイヤー達、無傷優勝宣言を覆し、一時の英雄になろうと躍起になる
とはいっても事前に準備していたのか、陣形を作り、矢による射撃を警戒する
このプレイヤーの中にティティルをただのプレイヤーだと考えている者はいない、逆にレイドボスであると考えている
この大人数でレイドクエストに挑戦している雰囲気が広がり、本来戦うべきほかプレイヤーとある種の絆が生まれる
「っ、『カタストロフレイン』『爆裂矢』!!」
迎え撃つティティルは広範囲の爆破攻撃スキルを使用、上空に放ち、自由落下した矢が何かに触れた瞬間爆発する
だが
「防爆よーーい!」
ツルギが号令をかけると盾持ちのプレイヤー達が盾を構え、一斉にスキルを発動する
突撃せず壁の上に控えていたプレイヤーが味方に防御バフをかける
攻撃力バフはかけず、防御バフか速度アップに集中することで、素早く自分たちの望む陣形を作り上げる
結果、爆裂矢が爆発を起こすが、事前に用意していたせいか、ほとんどダメージが通っていない
少しすればティティルは完全に囲まれ、スナイプステップで逃げる先がない状況
「あちゃ~~、ピンチかも」
『やばいやばいやばい!!』
『ここまで囲まれたならきついよ』
『ほかプレイヤーがガチで連携してる』
『これがレイドボス視点配信か~(現実逃避)』
視聴者も諦めモード
「逃げるのは難しい、だから全員倒すしか方法はない?」
「理解したでも?」
「私たちに倒されて終わるよ!」
考えていたティティルに近づくのは中華姉妹として有名な【ラン】と【リン】
ほかに近づくプレイヤーはおらず、逃げないか警戒するだけに留まる
「私は【ラン】」
「私は【リン】」
「「2人で1人前、卑怯とは言わせないよ!!」」
ステゴロの2人はそのままティティルに襲い掛かる
「ふむ、これは」
「どうしたディシア殿?」
「このツルギという男、よく考えておるの~、この陣形………完全にティティルを逃がさないことに集中しておるの」
「確かにそうですな」
戦いを知る異世界人の2人は納得したようにツルギの戦術を理解する
そして正弥は少し疑問点を述べる
「ん~~、でもなんで攻撃してる人数は少ないんだろ?100人くらい突撃してくると思ったけど」
「そりゃあ1人に対して大勢でかかれば強いかもしれんが、今はフレンドリーファイアが入る状態じゃ、意図せずとも味方に攻撃が当たりやすいじゃろうし、逆にティティルからしたら人混みの混雑を利用してその場から逃げれる可能性もあるしの」
「あっ、そうか」
「その点あの姉妹は2人の連携に自信があるのじゃろう、一番最初に大きく削りに来たかの」
「ツルギ殿………そしてもしティティル戦線の目的が最終的に誰かがティティル殿を倒せればいい、そうならば少ない数で確実にティティル殿を消耗させていけばいい、しかもティティル殿の無傷優勝さえ阻止できれば英雄のようなもの、たとえ最初の捨て駒と理解してても全力でそぎに来るでしょうな」
「まあもうレイドイベントみたいな感じだしね」
「じゃがまあ、あのティティルがこの程度でやられるとは思わんが………………うむ」
「何か気になることがあるの?」
「あのツルギとやらの話し方、どこかで?」
ディシアは何か引っかかってるが出てこない、それは一体……
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